仕事での外出から早めに上がれることになったある雨の日、職場の近所の眼科で眼底検査を受けました。
その日の診察自体は、角膜炎治療の経過観察が主な目的でしたが、網膜剥離(裂孔)の早期発見のため、眼底検査もしておいた方が良いとのことだったので。
(実はわたくし、強い近視なんですよ。)
最初に、瞳孔を開く(散瞳を促す)目薬をさされ、20分ほど待ちます。
本など読んでいてもよろしいとのことだったので、カバンに入っていた『戦前昭和の社会』(井上寿一)を読み進んでいると、次第に手元が見えづらく(ピントが合わなく)なってきました。
瞳孔の開き具合をチェックされ、進みが悪い右目だけ再点眼。さらに10分待ちました。徐々に右目もピントが合わなくなってきます。
その後の眼底検査自体はあっと言う間に終わり、網膜については特に心配するような状況も無いとのこと。半年後にまた検査に来てくださいねと言われて、この日のお支払いは1,130円也。
その後、帰宅の途につきました。
眼科の入っているビルからいったん地上に出た後、雨なので地下街を7-8分歩いて地下鉄の駅へ、下車後、ふたたび徒歩という経路です。
「眩しく見えるので気をつけて」「検査の後は仕事は出来ませんよ」と看護師さんから予告されていたものの、「散瞳薬」の効果は、予想を超える新鮮なものでした。
要は「散瞳」って、カメラのレンズの絞りが開放固定になってるってことなんですよね。たぶん。
なので、普段はなんだか少し薄暗いなぁと思っていた地下街が、とても心地よい明るさに。
一方、地下街の中のセブンイレブン店内が、尋常ならざる明るさに見えて、あれではとても入店する気になれません。
壁や柱の電照看板も眩しくて目を背けたくなる(これでは広告効果ゼロですな)。
地下鉄の車内に乗り込むと、今度は蛍光灯むき出しの照明が気になり、うつむきがちに。地下鉄を降り、地上に出ると、もう夕方もかなり遅い時間のはずなのに、ライトをつけているクルマが不自然なくらい、周囲が妙に明るい。
挙げ句、帰宅後はあちこちの室内照明をオフにして回る始末でした(家人には申し訳なかったです)。
人種によって視感度が異なる(たとえば→http://ameblo.jp/spicaspanker/entry-11159370564.html)という話はこれまでに何度か聞いていましたが、なるほど、欧米のホテルやら交通機関やらが(日本人からすると)かなり暗い照明になっているとか、晴天時の外出にサングラスが手放せない人がいるというのは、もしも普段からこういう見え方(感じ方)なら当然だよなぁと、納得してしまいました。
ひょっとして、照明設計の専門家の方は、研究のためと称して、時々は散瞳薬だけを処方してもらったりするのだろうか。さすがに無いか。
今回は、雨天かつ夕方から夜にかけての時間帯だったのでこの程度で済みましたが、朝から昼間に眼底検査を受けるのであれば、我々日本人でもサングラスを用意した方がいいかもしれませんね。
なお「明るく見える(眩しい)」という症状の他には、「手元が見えにくくなり(老眼のような感じ?)、本を読んだりはかなり厳しい(くたびれるので続かない)」というものがありました。
他にもインターネット上では、「検査後に外食したが、メニューが全く読めなかった」などの経験談も見かけましたが、納得できます。
わたくしも結局この日は、パソコンもスマートフォンも手に取る気が全く起きず、仕事のメールチェックも放置したまま、夕食後、すぐに就寝しました。
翌朝になると見え方はすっかり戻っていて(4時間から5時間程度で治まるのが標準的との眼科での説明でした)、ホッとしつつも、ちょっと拍子抜け。
滅多に出来ない経験なので、半年後の眼底検査の後も、危険の無い範囲で街中をあちこち歩き回ってみたいと考えています。
散瞳検査(眼底検査)についての専門家の解説はこちら…
http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/ophthalmology/gairai/sando.html
http://www.yasui-ganka.com/sub05/myd/index.html
0 件のコメント:
コメントを投稿