2014年4月21日に公開した、勤務先Facebookページへの寄稿文転載です。923文字。
ひょんなご縁から、NTTドコモさんの安全教室の教材制作に関わりました。
出前講座の開講数/受講者数も桁違いですが、リーフレットの方も、毎年、それぞれの冊子が数十万部ずつ印刷されるという意味では、国内最大級の参考書になるのかもしれませんね。
印刷物としての配布は、安全教室を受講した団体などに限られているようですが、PDFで全文データを入手出来ますから、ちょっとした自主的な勉強会などにも使えるのかなと思いました。
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[ドコモ安全教室教材のリニューアルをお手伝い]
NTTドコモの「ケータイ安全教室」は、受講者数が毎年90万人を超える、国内最大規模の教育啓発取り組みです。このたび、その教材が大幅に改訂されました。
新装なったのは「入門編」「応用編」「保護者・教員編」。それぞれのスライド教材とリーフレット(ポイントブック)のPDFデータは、いずれも既にドコモウェブサイトの下記ページからダウンロードが可能です。
https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/social/educational/safety/manual_download/index.html
今回の大幅改訂は、「携帯電話からスマートフォンへの移行」「その他機器によるインターネット利用の増加」「メッセンジャーアプリの利用トラブル増加」といった環境の変化を受けたもので、多くの学校や家庭が直面しているであろうトラブルを網羅的に収録するとともに、受講者の属性に合わせた分かりやすい解説が加えられています。
もちろん、スライド教材の方は、ドコモ安全教室のインストラクターが使うためのものですから、利用者が通読するだけでは全ての疑問は解決出来ないかもしれませんが、リーフレットの方は、それ単体でも十分に読み応えがあり、役立つものです。
ちなみに、ドコモの講師派遣が無償ということはよく知られていますが、最近同社が配布している教育啓発冊子(リーフレット)に、同社の社名がほとんど登場せず、宣伝色が極力排されていることをご存知の方は、案外少ないようです。
このあたりも含め、ぜひ上記ページから最新版リーフレットPDFをダウンロードして、確かめてみてください。
日頃、ピットクルーでは、さまざまなインターネット利用トラブル実態についての知見と、青少年から大人までを対象とした幅広い教育啓発経験を蓄積しています。
今回はその蓄積が認められ、第三者の視点でアドバイスするという形にて、初めてドコモさまの教材制作のお手伝いをさせていただきました。
これからもより多くのみなさんのお役に立てるように、日々の業務に取り組んでいきます。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
2014年5月7日水曜日
2014年5月2日金曜日
書評:わが子のスマホ・LINEデビュー 安心安全ガイド(小林直樹)
2014年4月15日に公開した勤務先Facebookページへの寄稿文の転載です。1551文字。
著者の小林記者は、子どもネット研の保護者講座の実地取材に来られて、本文中では、その一部コンテンツのご紹介もいただきました。
それにしてもこういう書籍は、具体的に書けば書くほど、サービス側の変化(改善)に置いていかれてしまいますから、その賞味期限が短くなりがちなのが難しいところですね。
一応、アマゾンへのリンクを貼っておきます。
(アフィリエイトリンクです 笑)
---
[書評:わが子のスマホ・LINEデビュー安心安全ガイド]
変化の早いインターネットの世界。子どもへの機器の与え方に自信が持てる保護者は多くないのが現実でしょう。とはいえ、いざ勉強しようと思っても、書籍は情報が古かったり、インターネットでは全体像を見渡せるようなまとまった形になっていなかったり…。
そんな保護者向けに、最新の「知っておくべきこと」「知りたいこと」をコンパクトにまとめた書籍「わが子のスマホ・LINEデビュー 安心安全ガイド」(日経BP社)が書店に並び始めています。
著者の小林直樹氏は、企業によるソーシャルメディア利用の失敗(いわゆる「ネット炎上」問題)では、とても多くの事例に精通した日経BP社の記者です。「子どものネット利用問題」についての書籍の多くが、教育現場に近い立場の著者によって書かれているのと違い、ジャーナリストの視点で問題を広く捉え、限られたページ数の中に重要度の高い項目をバランスよく取り上げているところが本書の大きな特徴です。
まず第1章では、2014年春の時点で多く聞かれる質問を、上手く10個にまで絞り込んでいます。
たとえば、今さら周囲には聞きにくい質問である「ガラケー(従来型携帯電話)とスマホは何が違う?」や「LINEはなぜ無料で使えるのか?」の解説は、新しいサービスや機器になじみの少ない保護者にこそ必要なものでしょう。
また「LINEにまつわる事件、トラブルがよく報じられるが、危険なのか?」の項目では、事件報道の特性を指摘した上で、本当に警戒すべきリスクを冷静に論じているのも、保護者にとって有益なものと思われます。
続く第2章では、あまたあるスマートフォン利用にともなう問題を、「歩きスマホ」「ワンクリック詐欺」「ネット依存」「ネットいじめ」「リベンジポルノ」という、身近かつ被害が深刻なもの5つに絞って簡潔に解説。
いずれも具体的な事例を挙げつつも、煽りすぎない書きぶりと、具体的なアドバイスで、全体像を把握する際のよい糸口になりそうです。
その後、第3章「わが子を守るスマホ設定」と第4章「わが子を「炎上」させない対策とルール」、第5章「トラブルを防ぐSNS設定」では、それぞれ「保護者ができる子どもたちの利用環境整備」「利用者である子どもたち自身の気づきが必要な点」「トラブルの場となる人気サービスの利用についての具体的なアドバイス」という三つの切り口から、いずれもきわめて現実的なポイントが列挙されています。
本書の各章のまとめには、「保護者はこう行動しなくてはいけない」という決めつけがほとんどありません。必要なデータや手がかりを示した上で、判断はそれぞれの家庭に任せるというスタイルが徹底されています。
また「保護者がするべきこと、出来ること」という視点で書かれてはいながらも、子どもたちのインターネット利用問題に関わらざるを得ない学校の先生方や、行政職員にとっての、課題を正確に捉えるための入門書としても有用そうです。
本書を通読して、「知ってるよ」とか「自分の思ってた通りだったよ」という方は、子どもたちのインターネット利用問題に「詳しい人」または「少し詳しい人」です。周囲の大人や子どもたちが困っている時には、ぜひ手助けをお願いします。
中には、字数が限られた本書だけでは満足出来ない方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、みなさんの近くにいるはずの「詳しい人」「少し詳しい人」を探して、質問してみてください。
本書の中でも取り上げていただきましたが、ピットクルーでも、保護者や教職員の研修会などへの講師派遣で、「少し詳しい人」を増やすお手伝いをしています。本書が一人でも多くの方に読まれることを願っています。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
著者の小林記者は、子どもネット研の保護者講座の実地取材に来られて、本文中では、その一部コンテンツのご紹介もいただきました。
それにしてもこういう書籍は、具体的に書けば書くほど、サービス側の変化(改善)に置いていかれてしまいますから、その賞味期限が短くなりがちなのが難しいところですね。
一応、アマゾンへのリンクを貼っておきます。
(アフィリエイトリンクです 笑)
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[書評:わが子のスマホ・LINEデビュー安心安全ガイド]
変化の早いインターネットの世界。子どもへの機器の与え方に自信が持てる保護者は多くないのが現実でしょう。とはいえ、いざ勉強しようと思っても、書籍は情報が古かったり、インターネットでは全体像を見渡せるようなまとまった形になっていなかったり…。
そんな保護者向けに、最新の「知っておくべきこと」「知りたいこと」をコンパクトにまとめた書籍「わが子のスマホ・LINEデビュー 安心安全ガイド」(日経BP社)が書店に並び始めています。
著者の小林直樹氏は、企業によるソーシャルメディア利用の失敗(いわゆる「ネット炎上」問題)では、とても多くの事例に精通した日経BP社の記者です。「子どものネット利用問題」についての書籍の多くが、教育現場に近い立場の著者によって書かれているのと違い、ジャーナリストの視点で問題を広く捉え、限られたページ数の中に重要度の高い項目をバランスよく取り上げているところが本書の大きな特徴です。
まず第1章では、2014年春の時点で多く聞かれる質問を、上手く10個にまで絞り込んでいます。
たとえば、今さら周囲には聞きにくい質問である「ガラケー(従来型携帯電話)とスマホは何が違う?」や「LINEはなぜ無料で使えるのか?」の解説は、新しいサービスや機器になじみの少ない保護者にこそ必要なものでしょう。
また「LINEにまつわる事件、トラブルがよく報じられるが、危険なのか?」の項目では、事件報道の特性を指摘した上で、本当に警戒すべきリスクを冷静に論じているのも、保護者にとって有益なものと思われます。
続く第2章では、あまたあるスマートフォン利用にともなう問題を、「歩きスマホ」「ワンクリック詐欺」「ネット依存」「ネットいじめ」「リベンジポルノ」という、身近かつ被害が深刻なもの5つに絞って簡潔に解説。
いずれも具体的な事例を挙げつつも、煽りすぎない書きぶりと、具体的なアドバイスで、全体像を把握する際のよい糸口になりそうです。
その後、第3章「わが子を守るスマホ設定」と第4章「わが子を「炎上」させない対策とルール」、第5章「トラブルを防ぐSNS設定」では、それぞれ「保護者ができる子どもたちの利用環境整備」「利用者である子どもたち自身の気づきが必要な点」「トラブルの場となる人気サービスの利用についての具体的なアドバイス」という三つの切り口から、いずれもきわめて現実的なポイントが列挙されています。
本書の各章のまとめには、「保護者はこう行動しなくてはいけない」という決めつけがほとんどありません。必要なデータや手がかりを示した上で、判断はそれぞれの家庭に任せるというスタイルが徹底されています。
また「保護者がするべきこと、出来ること」という視点で書かれてはいながらも、子どもたちのインターネット利用問題に関わらざるを得ない学校の先生方や、行政職員にとっての、課題を正確に捉えるための入門書としても有用そうです。
本書を通読して、「知ってるよ」とか「自分の思ってた通りだったよ」という方は、子どもたちのインターネット利用問題に「詳しい人」または「少し詳しい人」です。周囲の大人や子どもたちが困っている時には、ぜひ手助けをお願いします。
中には、字数が限られた本書だけでは満足出来ない方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、みなさんの近くにいるはずの「詳しい人」「少し詳しい人」を探して、質問してみてください。
本書の中でも取り上げていただきましたが、ピットクルーでも、保護者や教職員の研修会などへの講師派遣で、「少し詳しい人」を増やすお手伝いをしています。本書が一人でも多くの方に読まれることを願っています。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
2014年5月1日木曜日
「スマートフォンは夜9時まで」について考える
2014年3月20日公開の記事(勤務先Facebookページ)から転載。1202文字
予想通りというべきか、同様の問題意識を持つ自治体に波及している様子が、続報として報じられています。
■小中学校 広がるスマホ制限 「長時間使用は異常」「帰宅時安全確保は」首長も賛否
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1404/22/news038.html
あくまでも、子どもたちの長時間利用の背景にある「同調圧力に負けてズルズル」という点に着目した苦肉の策であり、呼びかけの当事者ほど、「これだけで全てが解決する」とはみじんも信じていないだろうと見ています。
だから「スマートフォン以外にも機器はあるよね」云々と高みの見物をしている場合ではなく、長時間利用の構造を理解できるのか、自らを律することが出来るか、試されてるのは、子どもたち以前に、われわれ大人全員なんですよね。
---
[「持たせない」から「夜9時まで」への大きな前進]
携帯電話の利用トラブルが社会問題化した2008年以降、「子どもには携帯電話を持たせない」という運動に取り組む地域が複数生まれました。
それから6年、今度は「スマートフォンは夜9時まで」という地域ぐるみの呼びかけが報じられ、話題になっています。
■スマホ 午後9時以降ダメ 刈谷の全小中学校
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20140317-OYT8T01038.htm
ネット上の反応は、当初「学校が口出しすることではない」「問題の先送り」「実効性に疑問」といったネガティブなものが目立ちました。
しかしその後、当事者の声が伝わり始め、趣旨に賛同するポジティブな受け止め方が広がりつつあるように見えます。
■子ども21時でスマホ禁止、刈谷市が大胆な試み。
http://japanese.engadget.com/2014/03/17/21-line/
なんといっても今回の決断は、以前の「持たせない」から大きく前進しています。
以前の「持たせない」の背景には、子どものインターネット利用にはリスクをとるほどの価値は無いという判断があったはずです。
しかし今回の呼びかけの背景には、その後、インターネットが生活を豊かにするための基盤になりつつある中で、ある程度の制約をつけた上であれば、子どもに使わせる方が現実的という判断があるわけです。
「持たせない」とは違い、「夜9時以降禁止」ではインターネット利用リスクはゼロにはなりません。そもそも施策の徹底自体も難しいでしょう。しかし、あえて今回のような呼びかけを選んだ。そこに、地域の大人たちの的確な現状認識と強い決意を感じます。
有識者からは、取り組みを成功させるための課題がさっそく指摘され始めています。
■「夜9時以降ケータイ・スマホ禁止!」刈谷市学校の保護者への要請の意味と課題
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takeuchikazuo/20140318-00033660/
今後、刈谷市の内外からさらに多くの知見を集め、元々のねらいが見事に達成されることを信じています。
また、今回の報道を見て、「わが街でも!」と議論に弾みがつく地域が、これから他にも増えることでしょう。
前回の記事(https://www.facebook.com/pitcrew.co.jp/posts/815088355184717)でもお伝えした通り、その時は、子どもだけに呼びかける運動だけでなく、スタートの時点から「大人自身も振り返る機会にする」=「インターネットとの上手な距離のとり方を模索する」という要素もぜひ取り入れていただければと考えます。
微力ではありますが、機会をいただければ、お手伝いもさせていただきます!
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
予想通りというべきか、同様の問題意識を持つ自治体に波及している様子が、続報として報じられています。
■小中学校 広がるスマホ制限 「長時間使用は異常」「帰宅時安全確保は」首長も賛否
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1404/22/news038.html
あくまでも、子どもたちの長時間利用の背景にある「同調圧力に負けてズルズル」という点に着目した苦肉の策であり、呼びかけの当事者ほど、「これだけで全てが解決する」とはみじんも信じていないだろうと見ています。
だから「スマートフォン以外にも機器はあるよね」云々と高みの見物をしている場合ではなく、長時間利用の構造を理解できるのか、自らを律することが出来るか、試されてるのは、子どもたち以前に、われわれ大人全員なんですよね。
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[「持たせない」から「夜9時まで」への大きな前進]
携帯電話の利用トラブルが社会問題化した2008年以降、「子どもには携帯電話を持たせない」という運動に取り組む地域が複数生まれました。
それから6年、今度は「スマートフォンは夜9時まで」という地域ぐるみの呼びかけが報じられ、話題になっています。
■スマホ 午後9時以降ダメ 刈谷の全小中学校
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20140317-OYT8T01038.htm
ネット上の反応は、当初「学校が口出しすることではない」「問題の先送り」「実効性に疑問」といったネガティブなものが目立ちました。
しかしその後、当事者の声が伝わり始め、趣旨に賛同するポジティブな受け止め方が広がりつつあるように見えます。
■子ども21時でスマホ禁止、刈谷市が大胆な試み。
http://japanese.engadget.com/2014/03/17/21-line/
なんといっても今回の決断は、以前の「持たせない」から大きく前進しています。
以前の「持たせない」の背景には、子どものインターネット利用にはリスクをとるほどの価値は無いという判断があったはずです。
しかし今回の呼びかけの背景には、その後、インターネットが生活を豊かにするための基盤になりつつある中で、ある程度の制約をつけた上であれば、子どもに使わせる方が現実的という判断があるわけです。
「持たせない」とは違い、「夜9時以降禁止」ではインターネット利用リスクはゼロにはなりません。そもそも施策の徹底自体も難しいでしょう。しかし、あえて今回のような呼びかけを選んだ。そこに、地域の大人たちの的確な現状認識と強い決意を感じます。
有識者からは、取り組みを成功させるための課題がさっそく指摘され始めています。
■「夜9時以降ケータイ・スマホ禁止!」刈谷市学校の保護者への要請の意味と課題
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takeuchikazuo/20140318-00033660/
今後、刈谷市の内外からさらに多くの知見を集め、元々のねらいが見事に達成されることを信じています。
また、今回の報道を見て、「わが街でも!」と議論に弾みがつく地域が、これから他にも増えることでしょう。
前回の記事(https://www.facebook.com/pitcrew.co.jp/posts/815088355184717)でもお伝えした通り、その時は、子どもだけに呼びかける運動だけでなく、スタートの時点から「大人自身も振り返る機会にする」=「インターネットとの上手な距離のとり方を模索する」という要素もぜひ取り入れていただければと考えます。
微力ではありますが、機会をいただければ、お手伝いもさせていただきます!
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
2014年4月30日水曜日
ネット依存は子どもの問題じゃない
2014年3月6日公開の勤務先Facebookページへの寄稿記事からの転載です。1122文字。
「なぜ急にネット依存が問題になってるの?」
「どうしたら良いの?」
という疑問に割と素直に答えていますね。
「子どもは周りの大人の様子を見て学ぶ」
という指摘は元々、広島大の匹田先生にいただいたものです。
そして大人のソーシャル依存は結構根深いとも思います。
最後の段落はまず自分自身に言い聞かせるために書きました。
---
[子どもをネット依存にさせないために]
「ネット依存」というキーワードが注目を集めています。
いわゆる「ネット依存症患者」というのは、昼夜逆転の生活でオンラインゲームを楽しむ若年利用者が、その典型的な姿でした。
ところが、スマートフォン普及の影響などで、その裾野が急に広がったのではないかと懸念されています。内閣府の最近の調査でも「青少年の平日のネット利用時間が3年前の2倍近くに」という状況です。
なぜ「スマートフォン普及=ネット依存の裾野が広がる」なのでしょうか。
1.スマートフォンは「いつでもどこでもネットにつながる超小型パソコン」です。決まった場所で使うパソコンとは異なり、移動中やスキマ時間など「利用できる時間帯」が飛躍的に増えます。
2.スマートフォンの場合は、家族が一台ずつ所有することも珍しくありません。子どもたちは大人の目が届かないところで、好きなことを楽しめるわけです。
3.スマートフォンでは、ゲームなど娯楽アプリや動画コンテンツなど「閲覧系のお楽しみ」に事欠きません。コミュニティアプリで自分のことを気軽につぶやいたり、メッセージアプリで友だちとのやり取りを楽しんだりも人気です。閲覧・交流のどちらも時間がかかる遊びです。
こうした背景から「スマートフォンを持つ=インターネットの長時間利用」になりやすいわけです。もちろん「長時間利用=依存」ではありませんが、依存傾向への入り口という面も含め、長時間利用がもたらす弊害が心配されています。
子どもたちの長時間利用を防ぐために、普通の保護者には何が出来るのでしょうか。
自制心が十分に育っていない段階では、個人所有のインターネット機器を安易に持たせない、持たせた後は「充電はリビングで。スマートフォンなどの機器は寝室に持ち込まない。」といったルールを決めることなども有効でしょう。
しかしその前に、保護者自身がインターネットとのつき合い方を見直すことが必要です。
小さな子どもたちは、日々、周囲の大人の振るまいを見ながら育っています。
ですから「食事中にスマートフォンを操作」させたくないなら、保護者が率先して「食事中はスマートフォンの電源を切る」や「別室に片付けておく」を実行するのです。
(すぐそばで着信通知があったら、中身が気になるのが人情ですからね)
食事中に限らず、就寝前の一定時間など、インターネット機器から離れると心穏やかでなくなるようであれば、子どもたちの状況を憂う前に、われわれ大人が依存状態なのかもしれません。
自らの意志でオンオフの切り替えをハッキリとさせられる、上手なインターネット利用のあり方をこれから意識的に探していきたいですね。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
「なぜ急にネット依存が問題になってるの?」
「どうしたら良いの?」
という疑問に割と素直に答えていますね。
という指摘は元々、広島大の匹田先生にいただいたものです。
そして大人のソーシャル依存は結構根深いとも思います。
最後の段落はまず自分自身に言い聞かせるために書きました。
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[子どもをネット依存にさせないために]
「ネット依存」というキーワードが注目を集めています。
いわゆる「ネット依存症患者」というのは、昼夜逆転の生活でオンラインゲームを楽しむ若年利用者が、その典型的な姿でした。
ところが、スマートフォン普及の影響などで、その裾野が急に広がったのではないかと懸念されています。内閣府の最近の調査でも「青少年の平日のネット利用時間が3年前の2倍近くに」という状況です。
なぜ「スマートフォン普及=ネット依存の裾野が広がる」なのでしょうか。
1.スマートフォンは「いつでもどこでもネットにつながる超小型パソコン」です。決まった場所で使うパソコンとは異なり、移動中やスキマ時間など「利用できる時間帯」が飛躍的に増えます。
2.スマートフォンの場合は、家族が一台ずつ所有することも珍しくありません。子どもたちは大人の目が届かないところで、好きなことを楽しめるわけです。
3.スマートフォンでは、ゲームなど娯楽アプリや動画コンテンツなど「閲覧系のお楽しみ」に事欠きません。コミュニティアプリで自分のことを気軽につぶやいたり、メッセージアプリで友だちとのやり取りを楽しんだりも人気です。閲覧・交流のどちらも時間がかかる遊びです。
こうした背景から「スマートフォンを持つ=インターネットの長時間利用」になりやすいわけです。もちろん「長時間利用=依存」ではありませんが、依存傾向への入り口という面も含め、長時間利用がもたらす弊害が心配されています。
子どもたちの長時間利用を防ぐために、普通の保護者には何が出来るのでしょうか。
自制心が十分に育っていない段階では、個人所有のインターネット機器を安易に持たせない、持たせた後は「充電はリビングで。スマートフォンなどの機器は寝室に持ち込まない。」といったルールを決めることなども有効でしょう。
しかしその前に、保護者自身がインターネットとのつき合い方を見直すことが必要です。
小さな子どもたちは、日々、周囲の大人の振るまいを見ながら育っています。
ですから「食事中にスマートフォンを操作」させたくないなら、保護者が率先して「食事中はスマートフォンの電源を切る」や「別室に片付けておく」を実行するのです。
(すぐそばで着信通知があったら、中身が気になるのが人情ですからね)
食事中に限らず、就寝前の一定時間など、インターネット機器から離れると心穏やかでなくなるようであれば、子どもたちの状況を憂う前に、われわれ大人が依存状態なのかもしれません。
自らの意志でオンオフの切り替えをハッキリとさせられる、上手なインターネット利用のあり方をこれから意識的に探していきたいですね。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
2014年4月28日月曜日
ゲーム機の保護者管理機能は最初が肝心
2014年2月22日公開の記事から転載。1012文字。
この
「子どもの持ち物にしないのも一つのやり方」
というアイデアですが、わたくしが個人的に思いついたものではありません。
元は子どもネット研の笹井先生からヒントをいただき、昨秋からの保護者向け講座で取り上げてみたところ、保護者管理について考えるよい題材になりそうだということで、こちらの記事でもご紹介したという経緯でありました。
ちなみにこの3DSは実機確認用の私物です(笑)
---
[ゲーム機はオトナのものに]
もうすぐ3月。4月の進級や進学を機に、我慢させていたわが子にもそろそろゲーム機を買ってあげる頃合いかしら、と考えている方もいらっしゃいますよね。
そして、いまやそうした機器はインターネットにつながるのが常識ですから、何の備えもなく使わせるのは避けたいもの。
ところが、「誕生日プレゼントで子どもに買ってあげたゲーム機。機器の設定でフィルタリングなどの機能制限をしようと思っていたのに、結局、機会が無いままになってしまって…」と話される保護者が少なくありません。
確かに、キレイにプレゼント包装された新品のゲーム機を子どもが大喜びで開封したそばから、「まずは機能制限するからね」と取り上げるのは、親子ともに、かなりのストレスになりますよね。
そこで最近の保護者向けの研修会では、「お子さんにゲーム機を買ってあげるのをやめましょう」とお話ししています。
これは、何も子どもにゲーム機を与えるなということではなく、「所有者はオトナであると宣言する」だけで、色々と良いことがあるよというご提案なのです。
お目当てのゲーム機は、あくまでも「お父さんのもの」として買う。(もちろん「お母さんの」でも大丈夫!)そして子どもにはそれを貸してあげるという形にするのです。
貸し出すといっても、厳密に「使いたいときだけ借りに来いよ」とまでする必要はなく、子どもに預けっぱなしでも構いません。
でも、あくまでも持ち主はお父さん。
だから、お店から買って帰ってきたゲーム機を箱から出すのもお父さん。
最初に電源を入れるのもお父さんになります。
ごく自然に、「インターネットへの接続を制限する」などの保護者管理機能(メーカーによって、「保護者による使用制限機能」とか、「ペアレンタルコントロール」とか呼び方が少し違います)を設定することが出来るわけです。
そして子どもに機器を渡す時には、「お父さんが使いたくなった時は、すぐに返してもらうからね」という一言も忘れずに。
こうすれば、無理なく機能制限をかけた上で、子どものゲーム機の利用の様子を時々確認することも出来るようになります。その後、お子さんがプライバシー情報の発信を控えられるなど、ネット上で自分の身を守れるようになってきたら、少しずつ機能制限を緩くしていきましょう。
ゲーム機はオトナのものに。
ぜひお試しください。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
この
「子どもの持ち物にしないのも一つのやり方」
というアイデアですが、わたくしが個人的に思いついたものではありません。
元は子どもネット研の笹井先生からヒントをいただき、昨秋からの保護者向け講座で取り上げてみたところ、保護者管理について考えるよい題材になりそうだということで、こちらの記事でもご紹介したという経緯でありました。
ちなみにこの3DSは実機確認用の私物です(笑)
---
[ゲーム機はオトナのものに]
もうすぐ3月。4月の進級や進学を機に、我慢させていたわが子にもそろそろゲーム機を買ってあげる頃合いかしら、と考えている方もいらっしゃいますよね。
そして、いまやそうした機器はインターネットにつながるのが常識ですから、何の備えもなく使わせるのは避けたいもの。
ところが、「誕生日プレゼントで子どもに買ってあげたゲーム機。機器の設定でフィルタリングなどの機能制限をしようと思っていたのに、結局、機会が無いままになってしまって…」と話される保護者が少なくありません。
確かに、キレイにプレゼント包装された新品のゲーム機を子どもが大喜びで開封したそばから、「まずは機能制限するからね」と取り上げるのは、親子ともに、かなりのストレスになりますよね。
そこで最近の保護者向けの研修会では、「お子さんにゲーム機を買ってあげるのをやめましょう」とお話ししています。
これは、何も子どもにゲーム機を与えるなということではなく、「所有者はオトナであると宣言する」だけで、色々と良いことがあるよというご提案なのです。
お目当てのゲーム機は、あくまでも「お父さんのもの」として買う。(もちろん「お母さんの」でも大丈夫!)そして子どもにはそれを貸してあげるという形にするのです。
貸し出すといっても、厳密に「使いたいときだけ借りに来いよ」とまでする必要はなく、子どもに預けっぱなしでも構いません。
でも、あくまでも持ち主はお父さん。
だから、お店から買って帰ってきたゲーム機を箱から出すのもお父さん。
最初に電源を入れるのもお父さんになります。
ごく自然に、「インターネットへの接続を制限する」などの保護者管理機能(メーカーによって、「保護者による使用制限機能」とか、「ペアレンタルコントロール」とか呼び方が少し違います)を設定することが出来るわけです。
そして子どもに機器を渡す時には、「お父さんが使いたくなった時は、すぐに返してもらうからね」という一言も忘れずに。
こうすれば、無理なく機能制限をかけた上で、子どものゲーム機の利用の様子を時々確認することも出来るようになります。その後、お子さんがプライバシー情報の発信を控えられるなど、ネット上で自分の身を守れるようになってきたら、少しずつ機能制限を緩くしていきましょう。
ゲーム機はオトナのものに。
ぜひお試しください。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
2014年4月25日金曜日
学校向けのネットパトロールはその役割を終えたか
2014年2月1日に公開した勤務先Facebookページからの転載です。
1252文字。(投稿を重ねるにしたがい、字数が増えております…)。
「もう学校裏サイトの時代じゃないでしょ?」
「LINEやSNSが人気なのに、パトロールで何を探せるの?」
といった素朴な疑問が聞こえてくる今日この頃。
実態をごぞんじの学校現場や教育委員会の担当者はともかく、自治体の財政部署や県会議員などのみなさんにはぜひ一緒に考えて頂きたい、「パトロール実施の今日的な意義」をカンタンにまとめた記事でした。
その一方、先進的な自治体の取り組みは、「見回り」だけでなく、「教育」や「相談」機能も連動させた複合的なものへと移りつつあります。
そのあたりの実例についても、これからもっと
紹介していきたいですね。
---
[ネットパトロールの効果を上げるには]
掲示板、ブログ、プロフィールサイトなどを巡り、地域の子どもたちによる書き込みの中から、不適切なものを見つけ出す作業を、ネットパトロールと呼びます。
ピットクルーのような専門企業が自治体教育委員会や私立学校からお引き受けするケースだけでなく、自治体職員や地域の保護者ボランティアによる対応も盛んです。
パトロールの結果、インターネットへの書き込みには適さないプライベート情報の書き込みなどが、今でも数多く見つかります。多くの場合、教育委員会などに集約された後、各学校に適宜提供され、具体的な生活指導、生徒指導の材料として役立てられています。
その一方で「子どもたちのインターネット利用の中心が、メッセンジャーアプリや会員制の交流サイトなどの閉鎖空間に移った」という視点や、検出される不適切書き込みの件数が漸減傾向にあることから、「パトロールを実施する効果が以前より薄れたのではないか」との指摘も見られるようになっています。
しかし、子どもたち自身の本音が赤裸々に語られるのは、学校の教室や家庭ではなく、むしろインターネット上なのではないかという見方から、子どもの状況を把握するための貴重なヒントがネットパトロールの結果からも得られるとする教育現場の声は少なくありません。
実際、子どもたちの不適切な発信がメッセンジャーなどの閉じた空間だけに限られることは珍しく、その様子が、ブログサイトや大手交流サイト上などの公開されている場にも漏れ出ているケースは少なくありませんし、そうした公開の場への書き込みは、後々大きな問題につながりがちです。
もちろん、ネットパトロールの効果を上げるための工夫の余地はまだまだ多く残っていそうです。
例えば、パトロールの結果を学校ごとの個別指導の材料だけに留めることなく、ヒヤリハット事例として共有するなど、地域内での教育啓発に積極的に生かしていくこと、保護者や地域の方などから学校に寄せられた相談や、ネットトラブル相談窓口に入ってきた事例から、パトロールの範囲(対象サイト)を機動的に変更していくような仕組みづくりが考えられます。
またピットクルーでも、専門企業としてパトロール業務の一切をお引き受けするだけでなく、パトロール自体は外部に委託しないという方針の自治体職員や地域の保護者ボランティア向けに、パトロール担当者養成研修メニューのご提供も始めています。(写真は先日開催された地方自治体向け研修会の様子です)
地域や学校のそれぞれの状況や事情に合わせた取り組みが、これからも子どもたちのインターネット活用を支え続けることを信じて、ピットクルーも新規サービスの開発を続けていきます。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
※ピットクルーのスクールネットパトロールサービス導入自治体の担当者インタビュー記事もご覧ください。
http://www.pit-crew.co.jp/service/schoolreport_01.html
1252文字。(投稿を重ねるにしたがい、字数が増えております…)。
「もう学校裏サイトの時代じゃないでしょ?」
「LINEやSNSが人気なのに、パトロールで何を探せるの?」
といった素朴な疑問が聞こえてくる今日この頃。
実態をごぞんじの学校現場や教育委員会の担当者はともかく、自治体の財政部署や県会議員などのみなさんにはぜひ一緒に考えて頂きたい、「パトロール実施の今日的な意義」をカンタンにまとめた記事でした。
その一方、先進的な自治体の取り組みは、「見回り」だけでなく、「教育」や「相談」機能も連動させた複合的なものへと移りつつあります。
そのあたりの実例についても、これからもっと
紹介していきたいですね。
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[ネットパトロールの効果を上げるには]
掲示板、ブログ、プロフィールサイトなどを巡り、地域の子どもたちによる書き込みの中から、不適切なものを見つけ出す作業を、ネットパトロールと呼びます。
ピットクルーのような専門企業が自治体教育委員会や私立学校からお引き受けするケースだけでなく、自治体職員や地域の保護者ボランティアによる対応も盛んです。
パトロールの結果、インターネットへの書き込みには適さないプライベート情報の書き込みなどが、今でも数多く見つかります。多くの場合、教育委員会などに集約された後、各学校に適宜提供され、具体的な生活指導、生徒指導の材料として役立てられています。
その一方で「子どもたちのインターネット利用の中心が、メッセンジャーアプリや会員制の交流サイトなどの閉鎖空間に移った」という視点や、検出される不適切書き込みの件数が漸減傾向にあることから、「パトロールを実施する効果が以前より薄れたのではないか」との指摘も見られるようになっています。
しかし、子どもたち自身の本音が赤裸々に語られるのは、学校の教室や家庭ではなく、むしろインターネット上なのではないかという見方から、子どもの状況を把握するための貴重なヒントがネットパトロールの結果からも得られるとする教育現場の声は少なくありません。
実際、子どもたちの不適切な発信がメッセンジャーなどの閉じた空間だけに限られることは珍しく、その様子が、ブログサイトや大手交流サイト上などの公開されている場にも漏れ出ているケースは少なくありませんし、そうした公開の場への書き込みは、後々大きな問題につながりがちです。
もちろん、ネットパトロールの効果を上げるための工夫の余地はまだまだ多く残っていそうです。
例えば、パトロールの結果を学校ごとの個別指導の材料だけに留めることなく、ヒヤリハット事例として共有するなど、地域内での教育啓発に積極的に生かしていくこと、保護者や地域の方などから学校に寄せられた相談や、ネットトラブル相談窓口に入ってきた事例から、パトロールの範囲(対象サイト)を機動的に変更していくような仕組みづくりが考えられます。
またピットクルーでも、専門企業としてパトロール業務の一切をお引き受けするだけでなく、パトロール自体は外部に委託しないという方針の自治体職員や地域の保護者ボランティア向けに、パトロール担当者養成研修メニューのご提供も始めています。(写真は先日開催された地方自治体向け研修会の様子です)
地域や学校のそれぞれの状況や事情に合わせた取り組みが、これからも子どもたちのインターネット活用を支え続けることを信じて、ピットクルーも新規サービスの開発を続けていきます。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
※ピットクルーのスクールネットパトロールサービス導入自治体の担当者インタビュー記事もご覧ください。
http://www.pit-crew.co.jp/service/schoolreport_01.html
2014年4月24日木曜日
任天堂、ソニーとの協業による携帯型ゲーム機の実機体験付き研修会の様子
2014年1月22日に公開した原稿の転載です。1008文字。
無償講師派遣型の安全教室を大々的に展開できる携帯電話事業者とは違い、ゲーム機メーカーなどでは、こうした指導者向け研修会などへのピンポイントの登場がどうしても主になります。
実機に触れたり、詳しい人から直接説明を聞くと解消する不安も多いように思います。
昨年度はたまたま経済産業省の委託事業の枠組みの利用で実現しましたが、こうした機会を無理なく増やしていくための創意工夫を、これからも続けていきたいところです。
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[大人には新鮮!携帯型ゲーム機の実機体験]
子どもたちのインターネット利用環境がパソコン/携帯電話に限られていたのはもう昔のこと。機器の急速な進化と普及の結果、携帯型ゲーム機でのインターネットデビューが当たり前の風景になりつつあります。
最新型の携帯型ゲーム機では、一人で遊ぶだけでなく、目の前の友だちとも通信しながらの対戦が出来るようになっています。さらに無線LAN(Wi-Fi)に接続することで、インターネット越しに世界中のユーザーと対戦するオンラインゲームなども簡単に楽しめます。
またパソコンと同じように、自由にホームページを閲覧する機能も搭載されていますから、家庭の方針や子どもの成長度合いに合わせ、不要な機能はオフにするなど、機器上の保護者管理機能を正しく設定してから子どもに使わせることが必要です。
ところが最新の携帯型ゲーム機でどのようなことが出来るのかも、保護者管理の機能の存在も、ゲーム機に馴染みの少ない大人には、案外知られていません。
ピットクルーでは平成24年度から、経済産業省委託事業の一環として、各地域でインターネット安全利用の教育啓発に関わる、地方自治体等の認定した指導者向けに研修会を実施しています。
今年度は、任天堂およびソニー・コンピュータエンタテインメントの両社にご協力をいただき、一部会場にて携帯型ゲーム機の実機体験プログラムを試行的に実施しました。
当日の受講者の中には、最新の携帯型ゲーム機に触れるのは初めてという方も少なくなく、その画面の鮮明さや各種動作のスピード感には新鮮な驚きの声が聞かれました。
また機能制限などの保護者管理機能についても、実際に自分の手でその設定方法や動作を確認することで、今後、教育啓発を進める上で具体的な手応えを得ることができたという受講者が多くいらっしゃいました。
ピットクルーでは今後も関係事業者との協働を図り、こうした機会の拡大に努めていきます。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
※任天堂株式会社
保護者のみなさまへ http://www.nintendo.co.jp/parents/index.html
※株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント
ネットワークを安心してお使いいただくために http://pscom.jp/anshin
ペアレンタルコントロール機能・解説ページ http://pscom.jp/safety
無償講師派遣型の安全教室を大々的に展開できる携帯電話事業者とは違い、ゲーム機メーカーなどでは、こうした指導者向け研修会などへのピンポイントの登場がどうしても主になります。
実機に触れたり、詳しい人から直接説明を聞くと解消する不安も多いように思います。
昨年度はたまたま経済産業省の委託事業の枠組みの利用で実現しましたが、こうした機会を無理なく増やしていくための創意工夫を、これからも続けていきたいところです。
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[大人には新鮮!携帯型ゲーム機の実機体験]
子どもたちのインターネット利用環境がパソコン/携帯電話に限られていたのはもう昔のこと。機器の急速な進化と普及の結果、携帯型ゲーム機でのインターネットデビューが当たり前の風景になりつつあります。
最新型の携帯型ゲーム機では、一人で遊ぶだけでなく、目の前の友だちとも通信しながらの対戦が出来るようになっています。さらに無線LAN(Wi-Fi)に接続することで、インターネット越しに世界中のユーザーと対戦するオンラインゲームなども簡単に楽しめます。
またパソコンと同じように、自由にホームページを閲覧する機能も搭載されていますから、家庭の方針や子どもの成長度合いに合わせ、不要な機能はオフにするなど、機器上の保護者管理機能を正しく設定してから子どもに使わせることが必要です。
ところが最新の携帯型ゲーム機でどのようなことが出来るのかも、保護者管理の機能の存在も、ゲーム機に馴染みの少ない大人には、案外知られていません。
ピットクルーでは平成24年度から、経済産業省委託事業の一環として、各地域でインターネット安全利用の教育啓発に関わる、地方自治体等の認定した指導者向けに研修会を実施しています。
今年度は、任天堂およびソニー・コンピュータエンタテインメントの両社にご協力をいただき、一部会場にて携帯型ゲーム機の実機体験プログラムを試行的に実施しました。
当日の受講者の中には、最新の携帯型ゲーム機に触れるのは初めてという方も少なくなく、その画面の鮮明さや各種動作のスピード感には新鮮な驚きの声が聞かれました。
また機能制限などの保護者管理機能についても、実際に自分の手でその設定方法や動作を確認することで、今後、教育啓発を進める上で具体的な手応えを得ることができたという受講者が多くいらっしゃいました。
ピットクルーでは今後も関係事業者との協働を図り、こうした機会の拡大に努めていきます。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
※任天堂株式会社
保護者のみなさまへ http://www.nintendo.co.jp/parents/index.html
※株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント
ネットワークを安心してお使いいただくために http://pscom.jp/anshin
ペアレンタルコントロール機能・解説ページ http://pscom.jp/safety
2014年4月23日水曜日
船橋希望中学校(東京都世田谷区)の家庭教育学級で講演
またまた勤務先Facebookページの過去投稿からの転載です。
2014年1月17日に公開した949文字の原稿。
同校PTA役員のみなさんによる企画でお呼ばれしたわけですが、その熱意には動かされましたね。
その後の同校の取り組み成否も気になるところです。
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[家庭教育学級での講演]
東京らしい冬晴れに恵まれた1月11日土曜日、世田谷区立船橋希望中学校で開かれた家庭教育学級にお邪魔してきました。
今回の家庭教育学級のテーマは「親が知らないネットの世界/わが子を見失わないために」。スマートフォンなどを購入するきっかけとなる進級進学シーズンの前に、その利点欠点についてあらためて考える機会を持ちたいという思いから、冬休み明け早々のこのタイミングに合わせて企画された同中学校PTAの取り組みの一つです。
また、単発の講演だけではなく、同校保護者を対象としたインターネット利用実態アンケート調査も事前に行われ、子どもたちのインターネット利用機器や利用サービス、家庭でのルールなど、「同じ学校の他の家庭ではどうなのか」という保護者が知りたい情報の共有が試みられているのも特徴です。
この日、図書室に集まったのは約60名。同校の保護者、関係者だけでなく、周辺の小学校からの保護者や校長先生の他、地域の青少年指導員の方などの参加もありました。
おおまかな進行は、初めに講師から、子どもたちのインターネット利用の最新状況と、家庭での取り組みのヒントについてお話をさせていただいた後、参加者が5−6名ずつのグループに分かれて、子どものインターネット利用時間などについての意見交換をするというものでした。
保護者にとって、日常会話の中でわが子のインターネット利用を話題にするのは難しいものかもしれませんが、同じ講演会に参加した後であれば、日頃の色々な悩みや疑問が自然に聞けるものです。
期待に違わず、グループワークはなかなかの盛り上がりを見せていましたし、受講者のアンケートの中にも、「子どもと話をしてみたい」「ネットに詳しくなくても親に出来ることがあると分かって良かった」といった前向きなコメントが多く見られました。
フィルタリングの利用を呼びかけるなどの形で、これまで行政主導で行われることの方が多かった保護者向けのインターネット利用に関する教育啓発ですが、今後はこうした、地域に根ざした自主的な学習の機会がより充実していくことが期待されます。ピットクルーでは、経験豊富な講師の派遣などで、そのお手伝いをさせていただきます。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
2014年1月17日に公開した949文字の原稿。
同校PTA役員のみなさんによる企画でお呼ばれしたわけですが、その熱意には動かされましたね。
その後の同校の取り組み成否も気になるところです。
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東京らしい冬晴れに恵まれた1月11日土曜日、世田谷区立船橋希望中学校で開かれた家庭教育学級にお邪魔してきました。
今回の家庭教育学級のテーマは「親が知らないネットの世界/わが子を見失わないために」。スマートフォンなどを購入するきっかけとなる進級進学シーズンの前に、その利点欠点についてあらためて考える機会を持ちたいという思いから、冬休み明け早々のこのタイミングに合わせて企画された同中学校PTAの取り組みの一つです。
また、単発の講演だけではなく、同校保護者を対象としたインターネット利用実態アンケート調査も事前に行われ、子どもたちのインターネット利用機器や利用サービス、家庭でのルールなど、「同じ学校の他の家庭ではどうなのか」という保護者が知りたい情報の共有が試みられているのも特徴です。
この日、図書室に集まったのは約60名。同校の保護者、関係者だけでなく、周辺の小学校からの保護者や校長先生の他、地域の青少年指導員の方などの参加もありました。
おおまかな進行は、初めに講師から、子どもたちのインターネット利用の最新状況と、家庭での取り組みのヒントについてお話をさせていただいた後、参加者が5−6名ずつのグループに分かれて、子どものインターネット利用時間などについての意見交換をするというものでした。
保護者にとって、日常会話の中でわが子のインターネット利用を話題にするのは難しいものかもしれませんが、同じ講演会に参加した後であれば、日頃の色々な悩みや疑問が自然に聞けるものです。
期待に違わず、グループワークはなかなかの盛り上がりを見せていましたし、受講者のアンケートの中にも、「子どもと話をしてみたい」「ネットに詳しくなくても親に出来ることがあると分かって良かった」といった前向きなコメントが多く見られました。
フィルタリングの利用を呼びかけるなどの形で、これまで行政主導で行われることの方が多かった保護者向けのインターネット利用に関する教育啓発ですが、今後はこうした、地域に根ざした自主的な学習の機会がより充実していくことが期待されます。ピットクルーでは、経験豊富な講師の派遣などで、そのお手伝いをさせていただきます。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
2014年4月22日火曜日
勤務先Facebookページへの寄稿を始めました
すっかり更新が途絶えてしまったこのブログですが、ヨソで原稿書いてたのも一因ですかね…。
でもこのまま放っておくと散逸してしまうのはミエミエなので、アーカイブ目的ってことで、差し支えないものはこちらにも適宜収録しておきたいと思います。
記念すべき第一弾は2014年1月16日に、勤務先のFacebookページに寄稿した517文字の下記原稿です。
それにしても写真が暗くて怖い。
文中、「3月末までの期間限定」とか書いていますが、結局4月以降も継続しております。
どこまで続くのかしらね…。
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[インターネットの安全、効果的な利用について考える]
サイトパトロール業務の専門企業として知られるピットクルー。
サイト運営事業者からの委託で、利用規約に違反する投稿の監視や削除対応を行ったり、自治体教育委員会からの委託で、児童生徒の利用実態を調査することが、全国650名のスタッフの日常です。
ところが、長年こうした業務を続けていると、同じ失敗をしてしまう利用者が多いことに目が行きます。またインターネットでの大きな失敗は、残念ながらその時限りでは終わらず、本人のその後の人生にも長きに渡って深刻な影響を与えかねません。
そこでピットクルーでは、専門部署を設けて、安全かつ効果的なインターネット利用についての研究と教育に取り組んでいます。その最新の名称は「インターネット利用者行動研究室」。
これまでは、講師としてお邪魔した各地の研修会などでしかお目にかかることができませんでしたが、今日から3月末までの期間限定で、このFacebookページ上でも、研究室担当者の日常や、最新のトピックなどをお知らせしていくことになりました。
みなさまからのコメントを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
でもこのまま放っておくと散逸してしまうのはミエミエなので、アーカイブ目的ってことで、差し支えないものはこちらにも適宜収録しておきたいと思います。
記念すべき第一弾は2014年1月16日に、勤務先のFacebookページに寄稿した517文字の下記原稿です。
それにしても写真が暗くて怖い。
文中、「3月末までの期間限定」とか書いていますが、結局4月以降も継続しております。
どこまで続くのかしらね…。
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[インターネットの安全、効果的な利用について考える]
サイトパトロール業務の専門企業として知られるピットクルー。
サイト運営事業者からの委託で、利用規約に違反する投稿の監視や削除対応を行ったり、自治体教育委員会からの委託で、児童生徒の利用実態を調査することが、全国650名のスタッフの日常です。
ところが、長年こうした業務を続けていると、同じ失敗をしてしまう利用者が多いことに目が行きます。またインターネットでの大きな失敗は、残念ながらその時限りでは終わらず、本人のその後の人生にも長きに渡って深刻な影響を与えかねません。
そこでピットクルーでは、専門部署を設けて、安全かつ効果的なインターネット利用についての研究と教育に取り組んでいます。その最新の名称は「インターネット利用者行動研究室」。
これまでは、講師としてお邪魔した各地の研修会などでしかお目にかかることができませんでしたが、今日から3月末までの期間限定で、このFacebookページ上でも、研究室担当者の日常や、最新のトピックなどをお知らせしていくことになりました。
みなさまからのコメントを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。
(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)
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