2013年4月24日水曜日

子ども用学習タブレットを購入する前に保護者が確認しておきたい点

依然として強さを見せつけるiPad、先日取り上げたMEEP!のような娯楽寄りのタブレットに加え、新年度ということで、通信教育向けのタブレットも賑わいを見せていますね。

たとえば先日掲載された読売新聞の「通信教育 タッチで差」という記事では、ジャストシステム、ベネッセ、Z会という、大手三社の取り組みを簡潔に比較してくれています。

残念ながら当ブログには、通信教育教材としての各社のサービスの強み弱みを分析するだけの知見も経験もありません。

しかしこの三社の商品、基本ソフト(OS)については、いずれもAndroid(ハードウェアは受講者が調達する「デジタルZ」の一部科目はiPadにも対応)で共通するにも関わらず、当ブログが日頃から興味を持って見ている「子どものインターネット利用のリスク管理」の具体的な手法については、かなり方針の違いがあるようです。

そこで、各社のウェブサイトで公開されている情報を調べてみました。

 

スマイルゼミではインターネットの一般利用は全て制限

読売の記事でも「6か月以上継続して受講すれば無料になる専用タブレット(2万8350円)は、スマイルゼミ以外のネット接続ができないので、子供に持たせても安心だ。」と紹介されているところですが、運営元のジャストシステム社のサポートFAQでも、一般のインターネットサイトを閲覧することはもちろん、公式マーケット(Google Play)からアプリを追加インストールすることも出来ないという、手堅い仕様が明記されています。

教材の配信や提出などにインターネット経由での通信経路は活用するが、その弊害からは遠ざけるために、「調べ学習にも使えます!」的なセールストークについては割り切ったということでしょうね。また、「ご褒美」として楽しめる専用のゲームアプリについては、一日あたりの利用時間も制限できる模様。

小学生対象の講座ということもあり、これらの方針は保護者の多くの思惑とも合っているように感じられます。なおこの点、来年度から始まるという同社の中学生講座ではどのような展開になるのか、注目です。

 

チャレンジタブレットはインターネット端末としても利用可能

読売の記事で「一般の端末同様、ネットやメールも使えるが、モードの切り替えで、子供の閲覧できるサイトや使える時間帯を制限できる。」と紹介されている通り、学習に必要なコンテンツに絞って利用させる「子モード」と自由にインターネットを楽しめる「親モード」を切り替えて使わせるという仕様。イマドキのインターネット端末が欲しいと考える家庭にとって「お買い得感」のある打ち出し方になっています。

もちろん、子どものインターネット利用のリスクに詳しいベネッセ社らしく、搭載ブラウザにはフィルタリング機能が標準装備されている他、使用時間制限なども利用が可能なようですね。

とはいっても、保護者は、親子モードの切り替えパスワードの管理をしっかりと行い、ブラウザによる一般ウェブサイト利用先はもちろん、アプリの追加ダウンロードの必要性/危険性などについても予め知っておくことが大切です。(先日ご紹介したiPadでのフィルタリングの注意点でも触れた通り、せっかくの学習用タブレットのはずなのに、制限を解除して公式アプリマーケットから一般アプリを追加で入れてしまうことで、フィルタリングが回避されてしまいます。)

ちなみに、こちらの個人ブログページにて、タブレット開封から設定作業の流れのレポートを見つけました。これを見る限りでは、フィルタリングがオフになっているなど、デフォルト(出荷時初期)設定のままだと、かなり甘い(リスク予防が緩い)運用になるという印象ですね。スマイルゼミとは異なり、中学生講座の副教材ということなので、ベネッセ社としては保護者にもそれなりの予備知識と覚悟を求めるという考え方なのでしょうか。

 

自由にインターネットが利用できるデジタルZ

記事では「家庭にあるタブレット端末で受講できる。」とされている通りで、手持ちのAndroid搭載タブレットに、接続アプリを追加するだけでそのまま学習端末に早変わりさせられるというのがデジタルZの魅力の一つと言えるでしょう。

ただし、このスタイルの場合は、フィルタリングを選定したり、Google Playストアの設定メニューでアプリのダウンロード制限をするなど、保護者には予備知識としっかりとした準備(設定)が必要です。

なお、この講座のためにタブレットを調達しようという家庭向けに、デジタルZでは「Z会推奨タブレット」を複数紹介しています。

残念ながら、保護者管理(ペアレンタルコントロール)機能については、特段の配慮が無い機種がほとんどですが、「Z会専用カスタム品」とされるPanasonic UT-PB1だけは、「保護者向けロック機能」(チャレンジタブレットの「親モード/子モードの切り替え」に該当)を搭載し、保護者向けのモードであってもアプリマーケットが利用出来ない仕様ということなので、保護者管理の面からは、これがおススメ機種ということになるでしょうか。

 

以上、大手三社の学習タブレット(通信教育用タブレット)について、保護者管理の面から簡単にまとめてみました。Androidを搭載した学習タブレットは、これからも増えていくところでしょう。教材の中身はもちろん、インターネット利用管理についても、目配りの利いた商品が増えていって欲しいと思います。

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