2010年12月14日火曜日

警察庁が携帯電話販売店でフィルタリング説明についての覆面調査

やるやるという話は以前から聞こえていたが、いよいよ各紙に一斉に報じられた。

■携帯フィルタリングの実態 警察庁が全国1500販売店に異例の覆面調査へ(産経)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101214/crm1012140901000-n1.htm

■フィルタリングの説明 調査へ(NHK)
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101214/t10015833101000.html

■フィルタリング:携帯店舗の説明実態、警察庁が覆面調査へ(毎日)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101214k0000e040021000c.html

■警察庁、携帯販売店を覆面調査 フィルタリング説明実態(共同通信)
http://www.47news.jp/news/2010/12/post_20101214090301.html

■携帯電話販売店に覆面調査=全国1500店で実施へ-閲覧制限説明実態把握・警察庁(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010121400131

いま見られる記事の中で一番詳しい毎日によれば、

・調査期間は12/14から年内一杯
・対象となるのは全国1500店舗程度(これは全店舗数の11%弱に相当するらしい)
・既に携帯電話事業者(通信事業者)の監督官庁である総務省の「同意も得た」。

というかなり大規模なもの。産経の記事にある


・店員が使用者の年齢を確認しているか
・法律でフィルタリングの加入が義務付けられていることを説明するか
・年齢に対応したサービスがあることを説明するか


という調査項目のうち、最初の二つは、内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」(平成22年3月)にて、既に保護者からの数字を得ている

「子どもが使用する旨を販売業者に伝えたか」(申し出たとの回答が86.3%)
「販売業者からフィルタリングに関する説明を受けたか」(説明があったとの回答が57.1%)

のさらなる掘り下げに当たるものとも言えるだろうが、今回の調査の結果をそのまま、定量的な判断材料とするのは難しいのではないか。

ましてや、産経の記事にあるような

調査結果を踏まえ、フィルタリングの加入率を向上させるためには販売店側と保護者側のどちらに問題があるかを判断し、具体的な対応策を検討するという。

という発想なのであれば、成果につなげることは難しいだろう。

ただし毎日の記事では、

「調査に備え社員教育を実施する販売店が出てくれば、フィルタリングの普及という本来の目的に結びつく」と警察庁幹部は言う。

とか、

アクセス制限をうっとうしく感じる子供の希望を、ただ聞き入れているだけの保護者もいるだろう。そうした保護者にこそ丁寧な情報提供をすることが、販売店に求められている。

とのまとめ方も見られ、このニュアンスの違いは、メディアの伝え方の問題なのかもだが。

産経記事にある

販売店で十分な説明がなされていないという民間団体の調査結果

というのが「保護者のためのフィルタリング研究会」の中で報告のあったもの

http://www.parental-filtering.org/2010/11/post-11dc.html(議事要旨)
http://www.parental-filtering.org/2010/10/post-5228.html(配付資料)
→携帯電話フィルタリングサービスの内容等説明に関する販売店実態調査結果
(飯塚委員発表資料)(PDF)

を指すのだとすれば、既に説明不足のポイントはある程度明らかになっているはず。

今回の調査の担当者には、上記の先行調査の質問項目に学んで欲しいし、出た結果の数字から、責任の所在を保護者か販売店かのどちらかに決めつけるような二項対立的な結論を、安易に導くことなく、関係者全てのフィルタリング理解の向上に役立てるような、遠回りに見えても本質的な取組みをぜひ(引き続き)お願いしたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿