2018年4月13日金曜日

生まれて初めてのトークショー


 おかげさまでこの3月頭に講談社から拙著(共著)『学生のためのSNS活用の技術 第2版』が刊行されました。販促活動の一環として、4月7日土曜日に、トークショー形式でのオフラインイベントを行いましたので、記憶が新たなうちに少々メモを。



 出入り口脇のホワイエ的な空間が、イベントスペースに早変わりするのです。ここは、二面の道路側はもちろん、店舗側も大きなガラス壁になっており、開放的で気分は良いし、注目度も高い。反面、通りがかった歩行者からのぞきこまれることもあり、大いに気が散る環境とも言えます。



 そんなウキウキ空間で開かれるイベントに、不肖わたくしめ、今回はメインの語り手として登壇するという大役を仰せつかりました。




 仕事柄、これまでにも少なくない回数の研修講師を経験してきましたが、いずれもホール・教室・会議室など、外部からは遮断された空間が会場。完全なオープンスペースでのイベントは、数えるほどしか経験していません。

 ましてや今回はトークショーの語り手。生まれて初めての経験です。有名作家やタレント、アスリートでもない凡人を主役に据えて、いったいどうなるのでしょうか。当日になって、客席がガラガラだったら、かなり気まずいです。

 本人の密かな不安をよそに、企画・準備を始めた昨年の11月以降、版元さんや紀伊國屋書店のスタッフのみなさんからは、種々、全面的なご協力をいただくことができました。
 また、共著者のお二人、さらには刊行前から企画進行をサポートしてくださった方々の、並外れた企画力・調整力・ご努力のおかげで、地元紙・北海道新聞やウェブ媒体、ラジオなどでの告知も実現しました。さらには友人知人、前職の職場など、いろいろなみなさんにも周知協力やご来場をいただきました。みなさまお忙しいところありがとうございました。


結果的には、客席はいい具合に埋まり、ホッとしました。


 ただ、来場者の年齢層が、事前に想像していた高校生・大学生保護者あたりよりも、さらに一段高めだったのは、新鮮な驚きでした。いまどきのリアル書店とか今回の告知経路の特徴なのかもしれません。イベント中に挙手いただいた範囲では、ご自身でSNSをご利用中の方も、普段研修で接している保護者層と比べて、ずいぶん少なかった。

 さて、やや尖った今回の書籍のテーマを、少しでも聴きやすくしようと、トークショーという形式を選んだので、語り手一人では成立せず、優れた聞き手が必要です。



 今回は関係者からのご紹介で、元NHKアナウンサーの原田由香さんに快くお引き受けいただきました。
 そもそもの声の出し方はもちろんですが、客席の温め方、客席との間合いのとり方、詰め方なども含め、話す・聞くの基本動作がよく訓練された、さすがプロらしいお仕事ぶりでした。一方、こちらは壇上の聞き手と、客席のみなさんとの二方面展開の難しさを筆頭に、反省点がたくさんです。


初めての対談形式のトークショー。気づきは…



  • 来場者に「楽しんでもらう」ための組み立てや要素は、どんなに盛り込んでも多すぎるということはない。(事前の進行検討時、その観点はなかった。)
  • 視線を向けるバランスは2:8くらいで、対談相手より客席優先に。今回は聞き手との対談スタイルに囚われすぎた。(以前に出演したことのあるテレビの形式とは違う)
  • 壇上マイクが二本あって交互に発声する進行の時は、声の出し方、マイクの持ち方への配慮も必要。(PA設備と設定次第では気にしなくてよいことも)
  • 地味で特殊なテーマかなと考えていたが、「自分ごと」と考えている大人も少なくないようだ。(今回のようなトークショー形式やそもそもの書籍の内容が直接的な答えになっているかは別)



出版と同様、一人だけでは実現できないことでした


 改めて感じたことは、「一人じゃ出来ないこと」という当たり前のお話でした。

 そもそもの書籍の刊行でも痛感したわけですが、オモテに出てくる名前はわずかでも、裏方として着々と動くたくさんの人が居て、はじめてキチンとしたものが出来上がるわけです。
 そしてそれは今回のイベントでも、まったく同じ構図でした。

 こうしたイベントだけでなく、普段の仕事でもいつもその点を意識していたいものだと思いました。また、気づきについては着実に形にしていきます。


 追記)4/11北海道新聞夕刊に、当日の取材記事まで掲載いただきました。本当にありがとうございました。




(会場Photo:M.Yoshida)



2016年6月28日火曜日

購入から2年3ヶ月。MacBook ProのACアダプタのケーブル被覆剥がれを(AppleCareの製品保証で)無償交換対応してもらいました。


以前使っていたMacBook Airでも起きたACアダプタのケーブル被覆剥がれ。
後継機としてMacBook ProRetina,13-inch,Late 2013)を買ってから、取扱いにはそれなりに気をつけていたつもりでした。でも、やはりまた被覆にヨレというか、シワが出来てきたなぁ、と思うようになってわずか数週間。見事に裂け目が出来てしまったのでした。



交換のためにACアダプタを新しく購入するとなると9500円+税。本体の次期モデルの噂も出ているこの時期としてはなおさら気が重い出費です。

少しでも節約したい一心で、いわゆるバルク品とか互換品みたいなACアダプタをAmazonで見て回ったりもしました。

確かに安い。

でも、レビュー見ててもすぐ故障する当たり外れがあるとか、本体故障したとかで、なんだか怖い。モノが電源だけに一層怖い。



その時ふと思い出したのが、MacBook Proを買う時に加入したはずのAppleCareのこと。

Apple Storeの店員さんに勧められ(万一液晶壊すと高くつきますよとか脅かされ?笑)、それまで家電量販店の延長保証などにも一切入ったことのなかったわたくしが、清水の舞台から飛び降りる思いで、確か加入したはず。

なんと、AppleCareは本体だけでなく、電源アダプタも保証の対象なんですね。
知らずに加入してました…。


早速、Appleサポートにコンタクトしてみることに。
普段から電話は苦手なので、チャットを選択。











Appleに限らず、サポートって延々と待たされるよなという先入観がありましたが、実質的には表示されていた「2分ほどで」よりも待つことなく、担当の方につながりました。


会ったことがない生身の人間とのテキストチャットって初めてです。

最初に女性の名前を名乗られたので、右の人を想像しながら淡々と会話を進めていきます。結構新鮮!(実際には左のような人かもしれないし)
















































対応は、LINEでりんなと話すよりはスピード感無いです。

こちらから一言送るたびに、ちょっとだけ待たされるようなタイミング。

でもまあ普段からチャットってそんなものだし、メールと比べると話の進みは格段に早いし、電話よりも応対する際の心理的な負担感のようなものも低いので、これはこれで良いものだなぁと。


そしてほどなくアダプタは無償交換できますという結論に。
(被覆の破れた経緯は聞かれましたが、こちらから提案したケーブル状況の写真送付などは必要ないとのことでした)
















































この後は、ヤマト運輸が配達に来てくれて、玄関先での新旧パーツの引き換えだそうです。

後から届いた記録を見てみると、サポート終了までおおよそ28分間。
でもそれほどのストレスは無かったです。

こういうサポートのスタイルはこれからもどんどん増えるんでしょうね。
そして一部はしっかりとAIに代替されていくんだろうなとも思いました。


今回の結論
  • 思い切ってAppleCare Protection Planに加入していて助かった。
  • チャットのサポートを提供してくれるのはありがたい。
  • 次期MacBook ProではACアダプタのケーブル被覆の品質向上をお願いしたい。

2015年1月7日水曜日

2014年一年間の講演講義を振り返ってみた

気付けばこのブログもふたたび長いこと放置してしまいました(反省)。
本当なら新年早々にアップするべき内容なのでしょうが、冬休みの宿題も一段落したこの隙に、2014年(暦年)の講演講義を振り返っておきたいと思います。

手元の記録をたどる限り、昨年1月から12月末までの講演講義はちょうど100回でした。
割合を把握しやすいキリのよい数字…(笑)

せっかくなので、内訳もみてみましょう。

対象者別

保護者向けが51回、教職員向けが13回、各地域のボランティア指導者向けが13回ということで、予想通り「大人」偏重だったことになりますね。
ま、小学生向け7回、中学生向け5回、大学生向け9回についても、それぞれ回数は少ないけど、一回あたりの受講者数は多い(中高一貫の私立男子校でホール一杯の1400名というのも…)ので、人数ベースだとそれほどの差はないかもしれません。
今年は受講者数も記録してみますかね…。

地域別

最多は東北地方の37回でした。このうち秋田県がダントツの30回です。
何しろ、一会場あたり四回開講という連続形式の「地域サポーター養成講座」がありましたから。

続いて北海道が34回。道民四年目の割には伸びてない気もします。

次が関東地方で計18回。
あとはグッと減って、近畿地方、中国地方がそれぞれ4回ずつなど。
一番の遠方開催は北九州市でのPTA研修会でした。

活動範囲を東日本優先にしているわけではないんですが、主催される側からすると、交通費の問題は無視できませんよね。

時期別

第四四半期(10-12月)だけで51回、次に多いのが第三四半期(7-9月)で25回。
薄々そうじゃないかとは感じていましたが、季節での繁閑差が大きいですね。

もちろん講演の閑散期は、仕込みや調整の大切な時期でもあるのですが、今年はもう少しだけ先を見ながら、よりよい仕事をしていきたいと思います。

2014年5月7日水曜日

ドコモ ケータイ安全教室の教材が大幅リニューアル

2014年4月21日に公開した、勤務先Facebookページへの寄稿文転載です。923文字。

ひょんなご縁から、NTTドコモさんの安全教室の教材制作に関わりました。

出前講座の開講数/受講者数も桁違いですが、リーフレットの方も、毎年、それぞれの冊子が数十万部ずつ印刷されるという意味では、国内最大級の参考書になるのかもしれませんね。

印刷物としての配布は、安全教室を受講した団体などに限られているようですが、PDFで全文データを入手出来ますから、ちょっとした自主的な勉強会などにも使えるのかなと思いました。

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[ドコモ安全教室教材のリニューアルをお手伝い]

 NTTドコモの「ケータイ安全教室」は、受講者数が毎年90万人を超える、国内最大規模の教育啓発取り組みです。このたび、その教材が大幅に改訂されました。

 新装なったのは「入門編」「応用編」「保護者・教員編」。それぞれのスライド教材とリーフレット(ポイントブック)のPDFデータは、いずれも既にドコモウェブサイトの下記ページからダウンロードが可能です。
https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/social/educational/safety/manual_download/index.html

 今回の大幅改訂は、「携帯電話からスマートフォンへの移行」「その他機器によるインターネット利用の増加」「メッセンジャーアプリの利用トラブル増加」といった環境の変化を受けたもので、多くの学校や家庭が直面しているであろうトラブルを網羅的に収録するとともに、受講者の属性に合わせた分かりやすい解説が加えられています。

 もちろん、スライド教材の方は、ドコモ安全教室のインストラクターが使うためのものですから、利用者が通読するだけでは全ての疑問は解決出来ないかもしれませんが、リーフレットの方は、それ単体でも十分に読み応えがあり、役立つものです。

 ちなみに、ドコモの講師派遣が無償ということはよく知られていますが、最近同社が配布している教育啓発冊子(リーフレット)に、同社の社名がほとんど登場せず、宣伝色が極力排されていることをご存知の方は、案外少ないようです。
 このあたりも含め、ぜひ上記ページから最新版リーフレットPDFをダウンロードして、確かめてみてください。

 日頃、ピットクルーでは、さまざまなインターネット利用トラブル実態についての知見と、青少年から大人までを対象とした幅広い教育啓発経験を蓄積しています。

 今回はその蓄積が認められ、第三者の視点でアドバイスするという形にて、初めてドコモさまの教材制作のお手伝いをさせていただきました。



 これからもより多くのみなさんのお役に立てるように、日々の業務に取り組んでいきます。

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)


2014年5月2日金曜日

書評:わが子のスマホ・LINEデビュー 安心安全ガイド(小林直樹)

2014年4月15日に公開した勤務先Facebookページへの寄稿文の転載です。1551文字。

著者の小林記者は、子どもネット研の保護者講座の実地取材に来られて、本文中では、その一部コンテンツのご紹介もいただきました。

それにしてもこういう書籍は、具体的に書けば書くほど、サービス側の変化(改善)に置いていかれてしまいますから、その賞味期限が短くなりがちなのが難しいところですね。

一応、アマゾンへのリンクを貼っておきます。
(アフィリエイトリンクです 笑)

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[書評:わが子のスマホ・LINEデビュー安心安全ガイド]



変化の早いインターネットの世界。子どもへの機器の与え方に自信が持てる保護者は多くないのが現実でしょう。とはいえ、いざ勉強しようと思っても、書籍は情報が古かったり、インターネットでは全体像を見渡せるようなまとまった形になっていなかったり…。

そんな保護者向けに、最新の「知っておくべきこと」「知りたいこと」をコンパクトにまとめた書籍「わが子のスマホ・LINEデビュー 安心安全ガイド」(日経BP社)が書店に並び始めています。

著者の小林直樹氏は、企業によるソーシャルメディア利用の失敗(いわゆる「ネット炎上」問題)では、とても多くの事例に精通した日経BP社の記者です。「子どものネット利用問題」についての書籍の多くが、教育現場に近い立場の著者によって書かれているのと違い、ジャーナリストの視点で問題を広く捉え、限られたページ数の中に重要度の高い項目をバランスよく取り上げているところが本書の大きな特徴です。

まず第1章では、2014年春の時点で多く聞かれる質問を、上手く10個にまで絞り込んでいます。

たとえば、今さら周囲には聞きにくい質問である「ガラケー(従来型携帯電話)とスマホは何が違う?」や「LINEはなぜ無料で使えるのか?」の解説は、新しいサービスや機器になじみの少ない保護者にこそ必要なものでしょう。

また「LINEにまつわる事件、トラブルがよく報じられるが、危険なのか?」の項目では、事件報道の特性を指摘した上で、本当に警戒すべきリスクを冷静に論じているのも、保護者にとって有益なものと思われます。

続く第2章では、あまたあるスマートフォン利用にともなう問題を、「歩きスマホ」「ワンクリック詐欺」「ネット依存」「ネットいじめ」「リベンジポルノ」という、身近かつ被害が深刻なもの5つに絞って簡潔に解説。

いずれも具体的な事例を挙げつつも、煽りすぎない書きぶりと、具体的なアドバイスで、全体像を把握する際のよい糸口になりそうです。

その後、第3章「わが子を守るスマホ設定」と第4章「わが子を「炎上」させない対策とルール」、第5章「トラブルを防ぐSNS設定」では、それぞれ「保護者ができる子どもたちの利用環境整備」「利用者である子どもたち自身の気づきが必要な点」「トラブルの場となる人気サービスの利用についての具体的なアドバイス」という三つの切り口から、いずれもきわめて現実的なポイントが列挙されています。

本書の各章のまとめには、「保護者はこう行動しなくてはいけない」という決めつけがほとんどありません。必要なデータや手がかりを示した上で、判断はそれぞれの家庭に任せるというスタイルが徹底されています。

また「保護者がするべきこと、出来ること」という視点で書かれてはいながらも、子どもたちのインターネット利用問題に関わらざるを得ない学校の先生方や、行政職員にとっての、課題を正確に捉えるための入門書としても有用そうです。

本書を通読して、「知ってるよ」とか「自分の思ってた通りだったよ」という方は、子どもたちのインターネット利用問題に「詳しい人」または「少し詳しい人」です。周囲の大人や子どもたちが困っている時には、ぜひ手助けをお願いします。

中には、字数が限られた本書だけでは満足出来ない方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、みなさんの近くにいるはずの「詳しい人」「少し詳しい人」を探して、質問してみてください。

本書の中でも取り上げていただきましたが、ピットクルーでも、保護者や教職員の研修会などへの講師派遣で、「少し詳しい人」を増やすお手伝いをしています。本書が一人でも多くの方に読まれることを願っています。

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)

2014年5月1日木曜日

「スマートフォンは夜9時まで」について考える

2014年3月20日公開の記事(勤務先Facebookページ)から転載。1202文字

予想通りというべきか、同様の問題意識を持つ自治体に波及している様子が、続報として報じられています。

■小中学校 広がるスマホ制限 「長時間使用は異常」「帰宅時安全確保は」首長も賛否
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1404/22/news038.html

あくまでも、子どもたちの長時間利用の背景にある「同調圧力に負けてズルズル」という点に着目した苦肉の策であり、呼びかけの当事者ほど、「これだけで全てが解決する」とはみじんも信じていないだろうと見ています。

だから「スマートフォン以外にも機器はあるよね」云々と高みの見物をしている場合ではなく、長時間利用の構造を理解できるのか、自らを律することが出来るか、試されてるのは、子どもたち以前に、われわれ大人全員なんですよね。

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[「持たせない」から「夜9時まで」への大きな前進]

携帯電話の利用トラブルが社会問題化した2008年以降、「子どもには携帯電話を持たせない」という運動に取り組む地域が複数生まれました。

それから6年、今度は「スマートフォンは夜9時まで」という地域ぐるみの呼びかけが報じられ、話題になっています。

■スマホ 午後9時以降ダメ 刈谷の全小中学校
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20140317-OYT8T01038.htm

ネット上の反応は、当初「学校が口出しすることではない」「問題の先送り」「実効性に疑問」といったネガティブなものが目立ちました。
しかしその後、当事者の声が伝わり始め、趣旨に賛同するポジティブな受け止め方が広がりつつあるように見えます。

■子ども21時でスマホ禁止、刈谷市が大胆な試み。
http://japanese.engadget.com/2014/03/17/21-line/

なんといっても今回の決断は、以前の「持たせない」から大きく前進しています。

以前の「持たせない」の背景には、子どものインターネット利用にはリスクをとるほどの価値は無いという判断があったはずです。
しかし今回の呼びかけの背景には、その後、インターネットが生活を豊かにするための基盤になりつつある中で、ある程度の制約をつけた上であれば、子どもに使わせる方が現実的という判断があるわけです。

「持たせない」とは違い、「夜9時以降禁止」ではインターネット利用リスクはゼロにはなりません。そもそも施策の徹底自体も難しいでしょう。しかし、あえて今回のような呼びかけを選んだ。そこに、地域の大人たちの的確な現状認識と強い決意を感じます。

有識者からは、取り組みを成功させるための課題がさっそく指摘され始めています。

■「夜9時以降ケータイ・スマホ禁止!」刈谷市学校の保護者への要請の意味と課題
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takeuchikazuo/20140318-00033660/

今後、刈谷市の内外からさらに多くの知見を集め、元々のねらいが見事に達成されることを信じています。

また、今回の報道を見て、「わが街でも!」と議論に弾みがつく地域が、これから他にも増えることでしょう。

前回の記事(https://www.facebook.com/pitcrew.co.jp/posts/815088355184717)でもお伝えした通り、その時は、子どもだけに呼びかける運動だけでなく、スタートの時点から「大人自身も振り返る機会にする」=「インターネットとの上手な距離のとり方を模索する」という要素もぜひ取り入れていただければと考えます。

微力ではありますが、機会をいただければ、お手伝いもさせていただきます!

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)


2014年4月30日水曜日

ネット依存は子どもの問題じゃない

2014年3月6日公開の勤務先Facebookページへの寄稿記事からの転載です。1122文字。

「なぜ急にネット依存が問題になってるの?」
「どうしたら良いの?」
という疑問に割と素直に答えていますね。

「子どもは周りの大人の様子を見て学ぶ」
という指摘は元々、広島大の匹田先生にいただいたものです。

そして大人のソーシャル依存は結構根深いとも思います。
最後の段落はまず自分自身に言い聞かせるために書きました。

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[子どもをネット依存にさせないために]

「ネット依存」というキーワードが注目を集めています。

いわゆる「ネット依存症患者」というのは、昼夜逆転の生活でオンラインゲームを楽しむ若年利用者が、その典型的な姿でした。

ところが、スマートフォン普及の影響などで、その裾野が急に広がったのではないかと懸念されています。内閣府の最近の調査でも「青少年の平日のネット利用時間が3年前の2倍近くに」という状況です。

なぜ「スマートフォン普及=ネット依存の裾野が広がる」なのでしょうか。

1.スマートフォンは「いつでもどこでもネットにつながる超小型パソコン」です。決まった場所で使うパソコンとは異なり、移動中やスキマ時間など「利用できる時間帯」が飛躍的に増えます。

2.スマートフォンの場合は、家族が一台ずつ所有することも珍しくありません。子どもたちは大人の目が届かないところで、好きなことを楽しめるわけです。

3.スマートフォンでは、ゲームなど娯楽アプリや動画コンテンツなど「閲覧系のお楽しみ」に事欠きません。コミュニティアプリで自分のことを気軽につぶやいたり、メッセージアプリで友だちとのやり取りを楽しんだりも人気です。閲覧・交流のどちらも時間がかかる遊びです。

こうした背景から「スマートフォンを持つ=インターネットの長時間利用」になりやすいわけです。もちろん「長時間利用=依存」ではありませんが、依存傾向への入り口という面も含め、長時間利用がもたらす弊害が心配されています。

子どもたちの長時間利用を防ぐために、普通の保護者には何が出来るのでしょうか。

自制心が十分に育っていない段階では、個人所有のインターネット機器を安易に持たせない、持たせた後は「充電はリビングで。スマートフォンなどの機器は寝室に持ち込まない。」といったルールを決めることなども有効でしょう。

しかしその前に、保護者自身がインターネットとのつき合い方を見直すことが必要です。

小さな子どもたちは、日々、周囲の大人の振るまいを見ながら育っています。

ですから「食事中にスマートフォンを操作」させたくないなら、保護者が率先して「食事中はスマートフォンの電源を切る」や「別室に片付けておく」を実行するのです。
(すぐそばで着信通知があったら、中身が気になるのが人情ですからね)

食事中に限らず、就寝前の一定時間など、インターネット機器から離れると心穏やかでなくなるようであれば、子どもたちの状況を憂う前に、われわれ大人が依存状態なのかもしれません。

自らの意志でオンオフの切り替えをハッキリとさせられる、上手なインターネット利用のあり方をこれから意識的に探していきたいですね。

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)


2014年4月28日月曜日

ゲーム機の保護者管理機能は最初が肝心

2014年2月22日公開の記事から転載。1012文字。

この

「子どもの持ち物にしないのも一つのやり方」

というアイデアですが、わたくしが個人的に思いついたものではありません。

元は子どもネット研の笹井先生からヒントをいただき、昨秋からの保護者向け講座で取り上げてみたところ、保護者管理について考えるよい題材になりそうだということで、こちらの記事でもご紹介したという経緯でありました。

ちなみにこの3DSは実機確認用の私物です(笑)

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[ゲーム機はオトナのものに]

 もうすぐ3月。4月の進級や進学を機に、我慢させていたわが子にもそろそろゲーム機を買ってあげる頃合いかしら、と考えている方もいらっしゃいますよね。

 そして、いまやそうした機器はインターネットにつながるのが常識ですから、何の備えもなく使わせるのは避けたいもの。

 ところが、「誕生日プレゼントで子どもに買ってあげたゲーム機。機器の設定でフィルタリングなどの機能制限をしようと思っていたのに、結局、機会が無いままになってしまって…」と話される保護者が少なくありません。

 確かに、キレイにプレゼント包装された新品のゲーム機を子どもが大喜びで開封したそばから、「まずは機能制限するからね」と取り上げるのは、親子ともに、かなりのストレスになりますよね。

 そこで最近の保護者向けの研修会では、「お子さんにゲーム機を買ってあげるのをやめましょう」とお話ししています。

 これは、何も子どもにゲーム機を与えるなということではなく、「所有者はオトナであると宣言する」だけで、色々と良いことがあるよというご提案なのです。

 お目当てのゲーム機は、あくまでも「お父さんのもの」として買う。(もちろん「お母さんの」でも大丈夫!)そして子どもにはそれを貸してあげるという形にするのです。

 貸し出すといっても、厳密に「使いたいときだけ借りに来いよ」とまでする必要はなく、子どもに預けっぱなしでも構いません。

 でも、あくまでも持ち主はお父さん。
 だから、お店から買って帰ってきたゲーム機を箱から出すのもお父さん。
 最初に電源を入れるのもお父さんになります。

 ごく自然に、「インターネットへの接続を制限する」などの保護者管理機能(メーカーによって、「保護者による使用制限機能」とか、「ペアレンタルコントロール」とか呼び方が少し違います)を設定することが出来るわけです。

 そして子どもに機器を渡す時には、「お父さんが使いたくなった時は、すぐに返してもらうからね」という一言も忘れずに。

 こうすれば、無理なく機能制限をかけた上で、子どものゲーム機の利用の様子を時々確認することも出来るようになります。その後、お子さんがプライバシー情報の発信を控えられるなど、ネット上で自分の身を守れるようになってきたら、少しずつ機能制限を緩くしていきましょう。

 ゲーム機はオトナのものに。
 ぜひお試しください。

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)

2014年4月25日金曜日

学校向けのネットパトロールはその役割を終えたか

2014年2月1日に公開した勤務先Facebookページからの転載です。
1252文字。(投稿を重ねるにしたがい、字数が増えております…)。

「もう学校裏サイトの時代じゃないでしょ?」
「LINEやSNSが人気なのに、パトロールで何を探せるの?」

といった素朴な疑問が聞こえてくる今日この頃。
実態をごぞんじの学校現場や教育委員会の担当者はともかく、自治体の財政部署や県会議員などのみなさんにはぜひ一緒に考えて頂きたい、「パトロール実施の今日的な意義」をカンタンにまとめた記事でした。

その一方、先進的な自治体の取り組みは、「見回り」だけでなく、「教育」や「相談」機能も連動させた複合的なものへと移りつつあります。

そのあたりの実例についても、これからもっと
紹介していきたいですね。

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[ネットパトロールの効果を上げるには]

 掲示板、ブログ、プロフィールサイトなどを巡り、地域の子どもたちによる書き込みの中から、不適切なものを見つけ出す作業を、ネットパトロールと呼びます。

 ピットクルーのような専門企業が自治体教育委員会や私立学校からお引き受けするケースだけでなく、自治体職員や地域の保護者ボランティアによる対応も盛んです。

 パトロールの結果、インターネットへの書き込みには適さないプライベート情報の書き込みなどが、今でも数多く見つかります。多くの場合、教育委員会などに集約された後、各学校に適宜提供され、具体的な生活指導、生徒指導の材料として役立てられています。

 その一方で「子どもたちのインターネット利用の中心が、メッセンジャーアプリや会員制の交流サイトなどの閉鎖空間に移った」という視点や、検出される不適切書き込みの件数が漸減傾向にあることから、「パトロールを実施する効果が以前より薄れたのではないか」との指摘も見られるようになっています。

 しかし、子どもたち自身の本音が赤裸々に語られるのは、学校の教室や家庭ではなく、むしろインターネット上なのではないかという見方から、子どもの状況を把握するための貴重なヒントがネットパトロールの結果からも得られるとする教育現場の声は少なくありません。

 実際、子どもたちの不適切な発信がメッセンジャーなどの閉じた空間だけに限られることは珍しく、その様子が、ブログサイトや大手交流サイト上などの公開されている場にも漏れ出ているケースは少なくありませんし、そうした公開の場への書き込みは、後々大きな問題につながりがちです。

 もちろん、ネットパトロールの効果を上げるための工夫の余地はまだまだ多く残っていそうです。

 例えば、パトロールの結果を学校ごとの個別指導の材料だけに留めることなく、ヒヤリハット事例として共有するなど、地域内での教育啓発に積極的に生かしていくこと、保護者や地域の方などから学校に寄せられた相談や、ネットトラブル相談窓口に入ってきた事例から、パトロールの範囲(対象サイト)を機動的に変更していくような仕組みづくりが考えられます。

 またピットクルーでも、専門企業としてパトロール業務の一切をお引き受けするだけでなく、パトロール自体は外部に委託しないという方針の自治体職員や地域の保護者ボランティア向けに、パトロール担当者養成研修メニューのご提供も始めています。(写真は先日開催された地方自治体向け研修会の様子です)


 地域や学校のそれぞれの状況や事情に合わせた取り組みが、これからも子どもたちのインターネット活用を支え続けることを信じて、ピットクルーも新規サービスの開発を続けていきます。

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)

※ピットクルーのスクールネットパトロールサービス導入自治体の担当者インタビュー記事もご覧ください。
http://www.pit-crew.co.jp/service/schoolreport_01.html

2014年4月24日木曜日

任天堂、ソニーとの協業による携帯型ゲーム機の実機体験付き研修会の様子

2014年1月22日に公開した原稿の転載です。1008文字。

無償講師派遣型の安全教室を大々的に展開できる携帯電話事業者とは違い、ゲーム機メーカーなどでは、こうした指導者向け研修会などへのピンポイントの登場がどうしても主になります。

実機に触れたり、詳しい人から直接説明を聞くと解消する不安も多いように思います。
昨年度はたまたま経済産業省の委託事業の枠組みの利用で実現しましたが、こうした機会を無理なく増やしていくための創意工夫を、これからも続けていきたいところです。

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[大人には新鮮!携帯型ゲーム機の実機体験]

 子どもたちのインターネット利用環境がパソコン/携帯電話に限られていたのはもう昔のこと。機器の急速な進化と普及の結果、携帯型ゲーム機でのインターネットデビューが当たり前の風景になりつつあります。

 最新型の携帯型ゲーム機では、一人で遊ぶだけでなく、目の前の友だちとも通信しながらの対戦が出来るようになっています。さらに無線LAN(Wi-Fi)に接続することで、インターネット越しに世界中のユーザーと対戦するオンラインゲームなども簡単に楽しめます。

 またパソコンと同じように、自由にホームページを閲覧する機能も搭載されていますから、家庭の方針や子どもの成長度合いに合わせ、不要な機能はオフにするなど、機器上の保護者管理機能を正しく設定してから子どもに使わせることが必要です。

 ところが最新の携帯型ゲーム機でどのようなことが出来るのかも、保護者管理の機能の存在も、ゲーム機に馴染みの少ない大人には、案外知られていません。

 ピットクルーでは平成24年度から、経済産業省委託事業の一環として、各地域でインターネット安全利用の教育啓発に関わる、地方自治体等の認定した指導者向けに研修会を実施しています。
 今年度は、任天堂およびソニー・コンピュータエンタテインメントの両社にご協力をいただき、一部会場にて携帯型ゲーム機の実機体験プログラムを試行的に実施しました。



 当日の受講者の中には、最新の携帯型ゲーム機に触れるのは初めてという方も少なくなく、その画面の鮮明さや各種動作のスピード感には新鮮な驚きの声が聞かれました。

 また機能制限などの保護者管理機能についても、実際に自分の手でその設定方法や動作を確認することで、今後、教育啓発を進める上で具体的な手応えを得ることができたという受講者が多くいらっしゃいました。


 ピットクルーでは今後も関係事業者との協働を図り、こうした機会の拡大に努めていきます。

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)

※任天堂株式会社
保護者のみなさまへ http://www.nintendo.co.jp/parents/index.html

※株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント
ネットワークを安心してお使いいただくために http://pscom.jp/anshin
ペアレンタルコントロール機能・解説ページ http://pscom.jp/safety

2014年4月23日水曜日

船橋希望中学校(東京都世田谷区)の家庭教育学級で講演

またまた勤務先Facebookページの過去投稿からの転載です。

2014年1月17日に公開した949文字の原稿。

同校PTA役員のみなさんによる企画でお呼ばれしたわけですが、その熱意には動かされましたね。

その後の同校の取り組み成否も気になるところです。

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[家庭教育学級での講演]

 東京らしい冬晴れに恵まれた1月11日土曜日、世田谷区立船橋希望中学校で開かれた家庭教育学級にお邪魔してきました。

 今回の家庭教育学級のテーマは「親が知らないネットの世界/わが子を見失わないために」。スマートフォンなどを購入するきっかけとなる進級進学シーズンの前に、その利点欠点についてあらためて考える機会を持ちたいという思いから、冬休み明け早々のこのタイミングに合わせて企画された同中学校PTAの取り組みの一つです。

 また、単発の講演だけではなく、同校保護者を対象としたインターネット利用実態アンケート調査も事前に行われ、子どもたちのインターネット利用機器や利用サービス、家庭でのルールなど、「同じ学校の他の家庭ではどうなのか」という保護者が知りたい情報の共有が試みられているのも特徴です。

 この日、図書室に集まったのは約60名。同校の保護者、関係者だけでなく、周辺の小学校からの保護者や校長先生の他、地域の青少年指導員の方などの参加もありました。
 おおまかな進行は、初めに講師から、子どもたちのインターネット利用の最新状況と、家庭での取り組みのヒントについてお話をさせていただいた後、参加者が5−6名ずつのグループに分かれて、子どものインターネット利用時間などについての意見交換をするというものでした。

 保護者にとって、日常会話の中でわが子のインターネット利用を話題にするのは難しいものかもしれませんが、同じ講演会に参加した後であれば、日頃の色々な悩みや疑問が自然に聞けるものです。
 期待に違わず、グループワークはなかなかの盛り上がりを見せていましたし、受講者のアンケートの中にも、「子どもと話をしてみたい」「ネットに詳しくなくても親に出来ることがあると分かって良かった」といった前向きなコメントが多く見られました。

 フィルタリングの利用を呼びかけるなどの形で、これまで行政主導で行われることの方が多かった保護者向けのインターネット利用に関する教育啓発ですが、今後はこうした、地域に根ざした自主的な学習の機会がより充実していくことが期待されます。ピットクルーでは、経験豊富な講師の派遣などで、そのお手伝いをさせていただきます。

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)

2014年4月22日火曜日

勤務先Facebookページへの寄稿を始めました

すっかり更新が途絶えてしまったこのブログですが、ヨソで原稿書いてたのも一因ですかね…。

でもこのまま放っておくと散逸してしまうのはミエミエなので、アーカイブ目的ってことで、差し支えないものはこちらにも適宜収録しておきたいと思います。

記念すべき第一弾は2014年1月16日に、勤務先のFacebookページに寄稿した517文字の下記原稿です。

それにしても写真が暗くて怖い。

文中、「3月末までの期間限定」とか書いていますが、結局4月以降も継続しております。
どこまで続くのかしらね…。

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[インターネットの安全、効果的な利用について考える]

サイトパトロール業務の専門企業として知られるピットクルー。
サイト運営事業者からの委託で、利用規約に違反する投稿の監視や削除対応を行ったり、自治体教育委員会からの委託で、児童生徒の利用実態を調査することが、全国650名のスタッフの日常です。

ところが、長年こうした業務を続けていると、同じ失敗をしてしまう利用者が多いことに目が行きます。またインターネットでの大きな失敗は、残念ながらその時限りでは終わらず、本人のその後の人生にも長きに渡って深刻な影響を与えかねません。

そこでピットクルーでは、専門部署を設けて、安全かつ効果的なインターネット利用についての研究と教育に取り組んでいます。その最新の名称は「インターネット利用者行動研究室」。

これまでは、講師としてお邪魔した各地の研修会などでしかお目にかかることができませんでしたが、今日から3月末までの期間限定で、このFacebookページ上でも、研究室担当者の日常や、最新のトピックなどをお知らせしていくことになりました。

みなさまからのコメントを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。

(高橋大洋/インターネット利用者行動研究室)


2013年9月21日土曜日

iOS7のフィルタリング機能の設定の流れを確認してみた

あまりにも情報が少なくて不安になるほどなのですが、以前から「iOS7ではAppleが標準ブラウザSafariにフィルタリング(ウェブサイトフィルタリング)を搭載する」というアナウンスがされていました。以前、このブログでも紹介しています。

iOS7の一般リリースが始まり、ようやく手元のiPhone5でもアップデートが出来たので、早速、機能の存在と設定の流れを確認してみました。

おなじみの「設定>一般>機能制限」を辿っていくと、ありました。「コンテンツの許可」セクションの中に「Webサイト」という新しい項目が。

 

Ios7 filtering setting1

 

 

これを選択すると、次に来るのがこちら。

Ios7 filtering setting2

 

ウェブサイトフィルタリングでは一般的な、「制限方式の選択」画面ですね。

  • 「すべてのWebサイト」を選ぶと、フィルタリングは無効に。(初期値)
  • 「アダルトコンテンツを制限」を選ぶと、いわゆる「ブラックリスト方式」(制限リスト方式)に切り替わり、アダルトコンテンツを掲載している(と思われる)ウェブサイトやページが見られなくなる(はず)。
  • 「指定したWebサイトのみ」を選ぶと、いわゆる「ホワイトリスト方式」(許可リスト方式)に切り替わり、管理者(保護者)が指定したウェブサイトやページだけにアクセスできるようになるわけですね。(きっと)

 

Ios7 filtering setting3

 

もちろん、「アダルトコンテンツを制限」モードを選んでも、Apple側の判断基準と異なるサイトを、管理者(保護者)が許可したり、禁止したり個別に調整することも可能なようです。ここの作りも常識的ですね。

 

Ios7 filtering setting4

 

「指定したWebサイトのみ」を選ぶと、米国での子ども向けおススメサイトリストがずらっと並びます。このままだと日本語圏での利用にはちょっと厳しいですね。

もちろん個別に管理者(保護者)が好みのサイトを追加することも可能になってます。たとえば日本だとYahoo!きっずなんかを追加するのが代表的なんでしょうね。

 

実際にアダルトコンテンツへのアクセスを試してみるとどうなるでしょう。

Ios7 filtering setting5

 

「アダルトコンテンツを制限」モードで、標準ブラウザSafariを使ってみます。

たとえば「アダルト画像」というキーワードで検索してみると、いきなりGoogle検索ページへのアクセス自体がブロックされてしまいました。おお。

なんというか、これはこれで手堅い仕様ですね。

どうにかしようと思って「Webサイトを許可」のところをタップすると、

 

Ios7 filtering setting6

 

「機能制限」のパスコード入力を求められます。なるほど、こうやって保護されるわけですね。

こうして一連の流れを眺めてみる限り、iOS7のフィルタリング機能、どうやら基本的な作りはしっかりしているものですね。これまで悩ましかったiPod Touchにも、一応の解決策が出来たことになりそうです。

実際に色々なキーワードを入れてみて、フィルタリング自体の精度(ブロックの確実性や正確性)を試すようなことは、これからあちこちのユーザーが試すでしょうから、とりあえずはここまでの確認に留めたいと思います。

2013年6月11日火曜日

AppleはiOS7で標準ブラウザSafariにフィルタリング機能を搭載?

本日(日本時間で深夜2時から)始まったAppleの開発者向けイベントWWDCで、iOS7が発表になりました。

速報記事(こちらなど)を見る限り、日本でも子どもたちに人気のiPhone、iPodTouch、iPadに影響する保護者管理周りの変化は、大きく二点。

一つは、AppStore上で、子どもにふさわしいアプリを探しやすくさせようというもの。

AppStoreは低年齢層の利用を考慮し、年齢別での検索が可能な仕様に。

これまでも、「機能制限>コンテンツの許可」を利用することで、アプリについているレーティング情報を使ったある程度のコントロールが出来たはずですが、これをより使いやすくするということでしょうか。

そしてもう一つは、標準ブラウザとして搭載されているSafariの機能改善の中に、ウェブサイトフィルタリングと思われる項目が含まれていること。

残念ながら日本語の記事では見つけられなかったのですが、海外サイトでは

Enhanced Parental Controls allow you to automatically block access to adult websites or only allow access to a specific set of permitted websites.

とされていますので、これを素直に読めば「許可/規制両対応のウェブサイトフィルタリングがSafariだけで実現可能に」ということになりそうです。

この「フィルタリング機能の追加」?については、

  • 外部のフィルタリングリスト(規制リスト)を搭載する伝統的な仕様なのか(または、全く別の仕組みなのか)
  • もしそうだとすればどこからリストを調達するのか
  • いずれにしても日本での実用に耐えうるのか

といった興味が尽きません。

 

日本国内の状況を振り返ってみると、Androidスマートフォン向けには、携帯電話会社が三社とも、フィルタリングブラウザまたはサービスを提供しています。

一方iPhoneでは、無償フィルタリングブラウザ「Yahoo!あんしんねっと」(ソフトバンクモバイル利用者)、または有償フィルタリングブラウザ「iフィルター」(au利用者)の利用と、契約先によって差があり、さらには別途Safariを無効化しなさいとか、結構面倒な準備作業も強いられています。

今回の機能追加がしっかりしたものであれば、iPhoneはもちろん、iPodTouch、iPadも含め、Appleのモバイル機器での保護者管理の定石が大きく書き替えられるかもしれないということですね。

一般利用者でもiOS7が使えるようになる今秋に向けて、続報に注目したいと思います。

2013年5月8日水曜日

SNS上でのオンラインコミュニケーション力がシューカツの必須スキルになる日は近い

就職活動イメージ

 

筆者が担当する子どもたちとインターネット問題に関する研修では、「無難に、安全に使えることは当然」で、これからは「上手に使えるようになっていないと困る」時代なんですということを、保護者のみなさんにお伝えしています。

その具体例として挙げるのは、たとえば「SNS(交流)サイトを使った就職活動」です。

実際、IT系以外の大手企業であっても、自社のウェブサイトでの情報発信に留まらず、SNS(交流)サイトを利用するようになっています。

日経HR社の報道発表によれば、2014年春入社の新卒採用活動に向けたSNSツールを作成したという企業の割合は、51.6%と半数を超えています。その際、利用されるSNSとしては、Facebookが93.8%と圧倒的。

一方、エン・ジャパン社の報道発表によれば、Facebookを情報収集のために使っているのは大学生の約4割とのこと。

こうして企業側と大学生側の利用率を見比べてみると、まだ手探り段階なのかもと思えてくるところですが、「ヘンケルジャパン、Facebookのみで新卒採用を開始」というニュースが目に止まりました。

え、面接もやめちゃうの?と一瞬ビックリしたところですが、さすがにそういうわけではなく(当たり前)、 

同社では、Facebookおよびホームページで採用情報を公開し、応募等の採用選考プロセスはFacebookを通じて行うそうだ。Facebookを活用した新卒採用は、学生により深く同社を理解し、応募してもらうことを目的としており、Facebook内の応募者向け非公開グループで、社員との双方向的なコミュニケーションをとることも期待されている。

というのが「公式Facebookページを唯一の窓口とした新卒採用」の中身ということになります。

採用人数が少ない外資系企業のヘンケル・ジャパンだから思い切れたということかもしれませんが、少なくとも、「双方向的なコミュニケーション」の力をはかる手段としてのSNSの活用は、国内企業にも割と急速に広がる可能性があるんではないかと考えます。

企業側は採用選考プロセスの中で、いままでも散々、グループディスカッションとか大学生にさせてきたわけじゃないですか。これ、そのオンライン版ということですから。

もちろん「SNSやブログで羽目を外しすぎてないか」みたいな低いレベルでの心配をするよりは、ずっと前向きだとは思うのですが、こうした能力って、一朝一夕とか付け焼き刃で身に付くものではありませんから、大学生はもちろん、選考する企業側も大変ですね。

いよいよ、本当の意味での情報教育の大切さが目に見える事象になってきたのだなーと感じたニュースでした。個人的にもいろいろと取り組みを加速したいと思います。

2013年5月7日火曜日

バンダイナムコの「TamaGoLand(たまGOランド)」の「安全」は他のSNSと何が違うのか

安心・安全を前面に押し出す新SNS

バンダイナムコの小学生向けSNS「TamaGoLand(たまGOランド)」が5/1に正式オープンしましたね。

紹介記事冒頭の「『たまごっち』のキャラクターと遊びながら」の部分は、かろうじてイメージできそうですが、「子どもたちだけでも安心・安全に利用できるさまざまな機能・サポートを搭載する。友だちにメッセージを送るなどのコミュニケーションをしながら、ネットサービスへの対応力や利用ルールが自然と身につく仕組みになっている。」と簡潔に書かれても、一体何をもって安心・安全というのか、他のSNSとの違いがどこにあるのかが判然としません。TamaGoLandサイトの「保護者のみなさまへ」を見ながら、もう少し掘り下げてみましょう。

 

安心・安全のための運営ポリシー

運営者ポリシーの一つに「安心・安全で楽しい「インターネット体験の場」を作る」と題して、

  • 不適切なメッセージをチェックしています
  • 個人に関係する情報が変更された場合は保護者へ通知します。
  • お金を使い過ぎることはありません

という三点が宣言されています。

実のところ、一点目については最近では、他の国内大手SNSでも普通に行われるようになっていることですから、この宣言だけでは違いがあまり分かりません。しかし、二点目と三点目を運営ポリシーとして明確に掲げているサイトはまだ珍しいですね。

特に三点目の宣言は、コミュニティ/ゲームサイトでの高額課金が話題になる最近では、保護者にとって確かに「安心」のポイントと言えそうです。※1

※1 ゲームやアバター(キャラクター)アイテムの買い過ぎ(使い過ぎ)対策としては、「未成年者に限って月額5千円」など上限設定のことを指すサービスが少なくありません。TamaGoLandでは、無料サービスとは別枠の有料会員コースを定額制で提供するとのこと。その「月額525円」と有料/無料サービス内容のバランスがそれぞれ適当かどうかはさておき、この仕組みであれば「保護者が知らない間に高額請求になることを防げる」ことはもちろん、「子どもが年齢を偽って登録する」などの心配も不要なわけです。

 

オープンなコミュニケーションとクローズなコミュニケーション

しかし、他サービスとTamaGoLand(あるいはバンダイナムコ社)との「安全」についての取り組みの本質的な違いは、同ページ中段以降にある「子ども向けネットサービスならではのしくみ」で説明されている、以下の二点に集約されています。

当たり前のように書かれ、読み過ごしてしまいそうなこの二点こそが、バンダイナムコ社が小学生のインターネット利用能力の実際や、類似サービスでのトラブル発生の状況を見きわめ、今回の新サービスの設計の根幹に据えた大切なポイントと言えるでしょう。

  • オープンなコミュニケーションシステム
    (ユーザ間の送受信はすべての登録ユーザから閲覧できる)
  • サービスの段階的な体験
    (ユーザの利用状況と理解に応じてメッセージ機能を段階的に開放)

一点目の「オープンなコミュニケーションシステム」を提供しているのは、TamaGoLandだけではありません。類似のコミュニティサイトでも、掲示板や日記へのコメント欄のような機能として提供されているものです。しかし、それに加えて「クローズなコミュニケーションシステム」(と書いてしまうと分かりにくいかもしれませんが、当該サイトにログインすると会員同士だけで利用できる「専用のウェブメール」だと思えば良いでしょう。呼び名は「ミニメール」などサイトによって様々です。)も提供されるのが通例です。そして、ここが深刻なトラブル※2の源になっています。

※2 具体的には、最も注意が必要なトラブルは「悪意のある大人が年齢や性別を偽るなどして、未成年者に近づく」というものでしょう。結果として性犯罪被害に遭うケースが少なくありません。またそこまで行かず、子ども同士であっても、コミュニケーションの行き違いを起こしたり、いじめなどの攻撃的な使い方になってしまうことが少なくありません。

いずれも「他人の目に触れないで直接メッセージのやり取りが出来る」というサービスの特性と、利用者側の能力/知識/経験のギャップが引き起こすトラブルと言えます。そこで、国内の大手コミュニティサイトの一部では、掲示板のようなオープンな場でのやり取りだけでなく、1対1のやり取りがされているミニメールについても監視の対象として、トラブルの抑制に努めるようになりつつあります。

一方、TamaGoLandでは、利用者にとっての利便性を犠牲にしてでも、この部分の機能を提供しないと決めたわけです。小学生向けサービスと割り切っている同サービスだからこそ出来た英断と言えるでしょう。

 

ネット上の自動車教習所的なサービスを模索

二点目の「サービスの段階的な体験」は、他サイトではほとんど見られない特徴と言えるでしょう。

運営側は、利用者がメッセージサービスを使って相手に気持ちを表現する際に、最初は「スタンプ」だけを許可し、その後、所定のレクチャーを受け、テストをパスした利用者(子ども)だけに、自由なテキストのやり取りを認めます。それでも不注意や理解不足から、不適切な発言を書き込んでしまった利用者に対しては、一時的にメッセージ機能の利用を制限するという、いわば「教育的な配慮」※3を組み込んだ、手の込んだサービス設計になっているのです。

※3 同社の考え方や理想については、専門媒体Internet Watchによって、詳しく報じられています。Twitterで大失敗をやらかす前に――バンダイナムコが小学生向け仮想空間 なお、記事中には出て来ませんが、同社が以前提供していたコミュニティサービス「サークルリンク」の経験が今回のサービス設計にもキチンと活かされていると思われます。

 

複数社による参入と「子ども向けの配慮面」での競争に期待

今回のTamaGoLandの取り組みが、どのように子どもたち、そして保護者に理解されるかはまだ分かりません。バンダイナムコ社も営利企業なのですから、一定以上の収益を上げることで、サービスを持続させる必要があります。

しかし「インターネットは大人のメディア」「全てを自己責任で」と突き放すだけでは、より多くの子どもたちが必要な経験を積んでいくことが難しいのもまた明らかでしょう。

TamaGoLandのような配慮がなされた子ども向けのサービスが、日本国内市場でも複数提供され、子どもたちがその興味関心適性や、能力発達に応じて、無理なくインターネットのオンラインコミュニケーションを学ぶことができる場が広がっていく事を強く期待したいと思います。

 

2013年4月26日金曜日

娯楽系子どもタブレットのtap me(タップミー)とMEEP!(ミープ!)、親の立場だとどっちが安心?

以前、当ブログでも取り上げたトイザらスのMEEP!が、本日発売になります。Androidタブレットを6歳〜の子どもにも安心して使わせられるように、色々な配慮が仕込まれた商品です。実機が届いたユーザーからのレポートがネット上に出てくるのがいまから楽しみですね。

さて一方、これを受けて立つ国内勢の先鋒が、このほど発表になったtap me(タップミー)。長年日本の厳しい消費者と付き合ってきたバンダイナムコのグループ会社が販売元ですから、「舶来もの」のMEEP!との違いに期待が持てそうです。

tap meは発売が7月ということもあり、各社の報道や公式ウェブサイトを見た限りの話ではありますが、気になるインターネット利用リスクへの対策については、

  • アプリ追加は専用ストア「キッズアプリマーケット」からのダウンロードのみに限定。一般にAndroid端末で利用可能な、Google Playストアからの一般アプリのダウンロードは不可能(⇔MEEP!は設定次第でGoogle Playストアの利用も可能)
  • インターネット閲覧のアクセス先は、Yahoo!きっずサイトのみに制限している様子?(⇔MEEP!は設定次第で一般サイト閲覧も可能)
  • 管理機能(パパママモード)で、個別機能のオンオフが可能(⇔MEEP!も保護者設定で制限が可能)
とされています。MEEP!よりも「安全寄り」に振ってありますね。
  • 希望小売価格は20,790円(⇔MEEP!はトイザらスのオンラインストア実売価格で14,999円)

とのことで、インタビュー記事で「海外製品をローカライズした物ですと、…どこかに使いづらさが出てきてしまう」と胸を張った開発者の自信が伝わってくる値付けですね。まあ、もしかすると実売だとあまり差はつかないのかもしれませんが。

もちろん

  • 使いすぎ防止タイマーも装備(MEEP!でも使用時間制限が可能)

ということで、長時間利用への対策も万全のようです。

ちょっとだけ気になるのが、専用ストアのアプリ品揃えの中に、メールのやり取りが可能になる「cosmosia」が含まれていること。他の機器でも利用できる同アプリの標準仕様のままだとすれば、Gmailなどを経由して全くの第三者とのやり取りも可能になりますので、そこが思わぬ抜け道にならないかな、パパママモードでの機能制限の初期値はどうなっているのかなというあたりでしょうか。

また、公式ウェブサイトで公開されている情報量はまだ不足気味ですね。ここは7月発売予定ということで、まだ時間があるせいでしょうか。実は今回も、インターネット閲覧制限の方法については、確信はもてませんでした。先行するMEEP!や各社の学習タブレットの例を見習い、インターネット利用リスクが気になる保護者向けのFAQなどを、この先もっと積極的に追加した方が良いのではないかと感じました。

今回の記事タイトルについていえば、「現時点で公開されている情報を総合する限りでは、安心感はtap meの方が大きい」というのが結論です。想定している利用者(子ども)の年齢を4〜8歳としている(⇔MEEP!は6歳〜)だけのことはありそうです。

それにしても「海外ではすでに確立された市場として、…十数種が発売されている」だそうですから、似たような商品が、国内にも続々と出てくるんでしょうね。そもそも4歳児に専用タブレットを与えるべきなのか、保護者はきちんと考えておかないといけませんね。

2013年4月24日水曜日

子ども用学習タブレットを購入する前に保護者が確認しておきたい点

依然として強さを見せつけるiPad、先日取り上げたMEEP!のような娯楽寄りのタブレットに加え、新年度ということで、通信教育向けのタブレットも賑わいを見せていますね。

たとえば先日掲載された読売新聞の「通信教育 タッチで差」という記事では、ジャストシステム、ベネッセ、Z会という、大手三社の取り組みを簡潔に比較してくれています。

残念ながら当ブログには、通信教育教材としての各社のサービスの強み弱みを分析するだけの知見も経験もありません。

しかしこの三社の商品、基本ソフト(OS)については、いずれもAndroid(ハードウェアは受講者が調達する「デジタルZ」の一部科目はiPadにも対応)で共通するにも関わらず、当ブログが日頃から興味を持って見ている「子どものインターネット利用のリスク管理」の具体的な手法については、かなり方針の違いがあるようです。

そこで、各社のウェブサイトで公開されている情報を調べてみました。

 

スマイルゼミではインターネットの一般利用は全て制限

読売の記事でも「6か月以上継続して受講すれば無料になる専用タブレット(2万8350円)は、スマイルゼミ以外のネット接続ができないので、子供に持たせても安心だ。」と紹介されているところですが、運営元のジャストシステム社のサポートFAQでも、一般のインターネットサイトを閲覧することはもちろん、公式マーケット(Google Play)からアプリを追加インストールすることも出来ないという、手堅い仕様が明記されています。

教材の配信や提出などにインターネット経由での通信経路は活用するが、その弊害からは遠ざけるために、「調べ学習にも使えます!」的なセールストークについては割り切ったということでしょうね。また、「ご褒美」として楽しめる専用のゲームアプリについては、一日あたりの利用時間も制限できる模様。

小学生対象の講座ということもあり、これらの方針は保護者の多くの思惑とも合っているように感じられます。なおこの点、来年度から始まるという同社の中学生講座ではどのような展開になるのか、注目です。

 

チャレンジタブレットはインターネット端末としても利用可能

読売の記事で「一般の端末同様、ネットやメールも使えるが、モードの切り替えで、子供の閲覧できるサイトや使える時間帯を制限できる。」と紹介されている通り、学習に必要なコンテンツに絞って利用させる「子モード」と自由にインターネットを楽しめる「親モード」を切り替えて使わせるという仕様。イマドキのインターネット端末が欲しいと考える家庭にとって「お買い得感」のある打ち出し方になっています。

もちろん、子どものインターネット利用のリスクに詳しいベネッセ社らしく、搭載ブラウザにはフィルタリング機能が標準装備されている他、使用時間制限なども利用が可能なようですね。

とはいっても、保護者は、親子モードの切り替えパスワードの管理をしっかりと行い、ブラウザによる一般ウェブサイト利用先はもちろん、アプリの追加ダウンロードの必要性/危険性などについても予め知っておくことが大切です。(先日ご紹介したiPadでのフィルタリングの注意点でも触れた通り、せっかくの学習用タブレットのはずなのに、制限を解除して公式アプリマーケットから一般アプリを追加で入れてしまうことで、フィルタリングが回避されてしまいます。)

ちなみに、こちらの個人ブログページにて、タブレット開封から設定作業の流れのレポートを見つけました。これを見る限りでは、フィルタリングがオフになっているなど、デフォルト(出荷時初期)設定のままだと、かなり甘い(リスク予防が緩い)運用になるという印象ですね。スマイルゼミとは異なり、中学生講座の副教材ということなので、ベネッセ社としては保護者にもそれなりの予備知識と覚悟を求めるという考え方なのでしょうか。

 

自由にインターネットが利用できるデジタルZ

記事では「家庭にあるタブレット端末で受講できる。」とされている通りで、手持ちのAndroid搭載タブレットに、接続アプリを追加するだけでそのまま学習端末に早変わりさせられるというのがデジタルZの魅力の一つと言えるでしょう。

ただし、このスタイルの場合は、フィルタリングを選定したり、Google Playストアの設定メニューでアプリのダウンロード制限をするなど、保護者には予備知識としっかりとした準備(設定)が必要です。

なお、この講座のためにタブレットを調達しようという家庭向けに、デジタルZでは「Z会推奨タブレット」を複数紹介しています。

残念ながら、保護者管理(ペアレンタルコントロール)機能については、特段の配慮が無い機種がほとんどですが、「Z会専用カスタム品」とされるPanasonic UT-PB1だけは、「保護者向けロック機能」(チャレンジタブレットの「親モード/子モードの切り替え」に該当)を搭載し、保護者向けのモードであってもアプリマーケットが利用出来ない仕様ということなので、保護者管理の面からは、これがおススメ機種ということになるでしょうか。

 

以上、大手三社の学習タブレット(通信教育用タブレット)について、保護者管理の面から簡単にまとめてみました。Androidを搭載した学習タブレットは、これからも増えていくところでしょう。教材の中身はもちろん、インターネット利用管理についても、目配りの利いた商品が増えていって欲しいと思います。

2013年4月23日火曜日

iPadを子どもにも使わせたいが、大人向けのウェブサイトは見せたくない保護者は何をすればよいか

iPhoneやAndorid端末などスマートフォンの陰に隠れて、情報源に乏しいということなのか、iPad(iPad mini)での保護者管理の具体的な方法について質問をいただくことがあります。

フィルタリングアプリとしては何がおススメ?

実際には「おススメ」も何も、iPad(iPad mini)の場合、家庭用のフィルタリング(子どもには見せたくない、使わせたくないウェブサイトの閲覧/利用を制限する)アプリは2013年4月時点でほぼ一択です。幸か不幸か、迷う心配すら無いというところでしょうか。

具体的にはこちら、

が、その栄えある一択ということになります。

i-フィルターといえば、長らく日本のフィルタリング業界を支えて来たデジタルアーツ社(同社の技術はご家庭のパソコン用だけでなく、学校や企業などでも使われています)の看板商品です。したがって、制限対象となる分野の分類方法や操作性などが、ご家庭ごとの好みに合うかどうかという点は残りますが、その性能や使い勝手は、まずまず妥当で標準的なものと言えるはず。ただしこちらの商品、年3,800円の費用はかかります。

なお、同じiPad(iPad mini)でも、ソフトバンクモバイルで購入された方に限っては、

というフィルタリングアプリとも比較の上、どちらかお好みの方を選択することが可能です。こちらは無償ですが、安かろう悪かろうではなく、i-フィルター同様、やはり長年のパソコン版での実績を引き継ぎ、Yahoo!ブランドに泥を塗らない仕上がりと言えるでしょう。

 

iPadのフィルタリングで気をつけたいこと(手順その1:標準ブラウザSafariの無効化が必須)

これまで、i-フィルターも含め、パソコン用のフィルタリングソフトのほとんどでは、いったんインストールさえしてしまえば、それ以外の設定についてはほとんど心配する必要はありませんでした。たとえInternet Explorer以外のどんなブラウザソフト(ウェブサイトを閲覧するために作られたソフト)を使おうとも、閲覧をしっかりと制限してくれたのです。

しかし、iPad(iPad mini)では、フィルタリングアプリを正しく機能させるために欠かせない手順がまだ残っています。その一つ目は標準ブラウザアプリとして搭載されているSafariを無効にすることです。

これを怠ると、保護者がせっかく作ったiフィルター(またはY!あんしんねっと)という制限付きのドアを使わず、子どもたちは正面玄関(Safari)から、どこでも好きなウェブサイトへと出かけていくことが出来てしまいます。これは、パソコンとは違う、タブレットやスマートフォン用の基本ソフト(OS)の設計思想の違いから来ることなので、デジタルアーツ社を責めても仕方ありません。

この「Safariの無効化」についてのiPad(iPad mini)上での具体的な操作手順は、デジタルアーツ社の説明が簡潔で分かりやすいですね。(画面はiPhoneのものですが、流れは同じです。)

また、こうしていったん無効にしたSafariは、実際にはiPadからアンインストール(削除)されるわけではなく、 後で必要になった時には簡単に使えるようにできますし、以前登録しておいたブックマーク(お気に入り)の内容などもそのまま復活します。

 

iPadのフィルタリングで気をつけたいこと(手順その2:アプリ追加インストールも制限を)

ところが「タブレットにとってのインターネットへの正面玄関」とも言える標準ブラウザ(Safari)を止めたから、これでもう一安心と思うのは、残念ながらまだ早いのです。

iPad(iPad mini)では、Safari以外にも複数存在するブラウザアプリを追加でダウンロード(インストール)することで、いわば「裏口のドアを追加」することが簡単に出来てしまいますから、手順の二つ目として、そちらも予防しなくてはいけません。

そのために必要なのは、[設定]アイコンから[一般]>[機能制限]と進んだ先(ここまでは手順1と同じです)にある「許可」セクションにある「インストール」部分での操作。

ここを「オン」から「オフ」へと切り替えることで、アプリの追加インストール(App Storeからのダウンロード)が出来なくなります。

IPad機能制限設定例s

 

これ以降、普段はここはオフにしておき、保護者がその必要性と安全性を認めたアプリの追加をする時にだけ、お子さんには内緒にしておいた任意のパスコード(自分で決める4桁の数字)を入力して、一時的に制限を解除するというのが、日常の運用ということになりますね。

 

大手ウェブサイトの提供する専用アプリにも注意が必要

最近、人気の大手ウェブサイトでは、そのサイト専用のアプリを用意している例が増えています。保護者にも馴染みが深いところでは、交流サイトのFacebookや、通販サイトのAmazonなどが専用アプリを無償で提供しており、「ブラウザ経由よりも使いやすくなっている」などと、ダウンロードを促されることが少なくありません。

ただし、i-フィルターなどのフィルタリングブラウザを入れて特定分野のウェブサイトの利用を制限していても、こうした特定サイト用のアプリを追加することで、実質的には制限を回避できてしまうことがあります。その意味でも、上記「手順その2:アプリの追加インストールも制限を」は欠かせないということになりますね。

 

ああ、子どもにiPad使わせるのも、なかなか面倒ですね。やっぱりMEEP!のような子ども用タブレットにも意味はあるのかもしれませんね。

 

Yahoo!あんしんねっと HD for SoftBank App
カテゴリ: ユーティリティ
価格: 無料

 

i-フィルター for iOS App
カテゴリ: ユーティリティ
価格: 無料

2013年4月12日金曜日

トイザらスの子どもタブレットMEEP!、ペアレンタルコントロール機能のお手並みはいかに

国内初の「子ども向けタブレット」との触れ込みで、トイザらスからMEEP!が販売されるとの報道がありました。

日本トイザらスからお子様専用 Androidタブレット『MEEP!』、仮想通貨でアプリ購入

トイザらス、キッズ向け7型Android 4.0タブレット「MEEP!」

既に、トイザらスのオンラインストアには、商品案内ページもオープン済(4/10から予約受付開始、販売は4/26)。対象年齢は6歳〜とされています。

実売価格も14,999円とこなれており、携帯電話会社への毎月の支払いの心配もありませんので、保護者設定(ペアレンタルコントロール)機能の充実を前面に押し出したこの商品であれば、iPadなどのタブレットを、子どもたちに勝手に触られて困るんだよなぁという、日本のお父さん達の心をとらえることが出来るかもしれません。

保護者による管理、具体的には、

  • 使用履歴の詳細を遠隔から確認可能
  • 不適切な用語を含むサイトをブロック
  • MEEP!同士でチャットする相手は、事前の保護者承認が必要
  • アプリやサイト、ゲーム、YouTube視聴などの使用項目ごとに、使用時間やアクセス制限を個別に設定可能

といった機能を備えているとのこと。

また、

  • アプリやゲームは専用ストアから追加(専用の仮想通貨は保護者がチャージ)

というのも、さすが手慣れた印象を受けるところですね。

(とはいえ、Google Playからのアプリ追加も可能(MEEP!のベースはAndroidタブレット)とのことなので、ここをキチンと押さえておかないと根本的におかしなことになりかねませんが…。)

最も気になるのが、保護者設定(ペアレンタルコントロール)機能について、それぞれの項目の出荷時初期設定の内容です。

インターネット利用リスクについて予備知識の少ない保護者でも、結果的に手堅い管理が出来るように、基本は安全寄りに倒しておき、必要に応じてその都度制限緩めていくという設計思想が強く期待されるところですが、実際にはどうなっているでしょうか。

娯楽系子どもタブレットの先陣を切ったMEEP!は、今後、子どもの安全利用への配慮の面でも、後続の競合他社にとってのベンチマーク対象となるでしょうから、しばしばペアレンタルコントロールの先進国とされる米国発の商品らしい、しっかりと作り込まれた内容であることを願っています。